Fri, 20 Sep 2002
あまえんぼ
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みぃちゃんは甘えんぼで、河原から2番目に救出できた子だ。人にも可愛がられる子だったけど、猫たちにも愛されていた。 うーちゃん(現在くーちゃん)は人間大好き猫だ。どこから降ってきたのか、一人である日忽然と河原にいて、最初から膝の上に丸まってしまった。秋が深まる頃の事、風邪をひいて瞬膜が出て元気がなくなり、人を追ってうろうろ歩くものだから心配でたまらず、保護を急いだ。できることならずっと一緒にいたいくらい可愛かったのはみぃちゃんと同様だったけど、あっという間に新しいお家が見つかり、救出組リストの10番目に名前を刻んだ。 人に甘える子とそうでない子といるのは、お母さん猫の影響や生まれ落ちた環境ばかりでなく、素質もあるらしい。 みぃちゃんとうーちゃんは、天才だ。 |
Thu, 19 Sep 2002
際限なし
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99年の秋に友人が撮った、河原猫ポイントの写真が残っている。一ちゃん、まさるさん、みみちゃん、洋ちゃん、そして当時まだ幼顔のお母さんやタビー、今は亡き虎吉がいる。古株オリジナルメンバーは、少なくとも4度目の秋を迎えることになる。まさおくんや白ママの祖先、クニクニ姉妹の祖先、まっちゃん柄の三毛・・みな恐い顔で人を拒絶していた。当時時々自転車を止めて見た覚えのある、捨てられたアメショーの雄猫もいる。私が関わり始めた翌年2000年の春には消えかかっていた子達だ。草藪の中に隠れていて、ほとんど出会えず消えた。 毎日会っているので、今の河原の子達に不幸を感じる感覚が麻痺してしまった。 お母さんを皮切りに、2年かかって42匹不妊手術した。メスは29匹。もし未手術で5匹ずつ年に2回子を産んだとすれば、290匹。天文学的な数字だ。冷や汗が出てくる。 近所で、多頭飼育崩壊寸前が発覚した。1匹の妊娠猫を飼い始めた家族が、2年あまりほおって置いたら47匹になってしまったそうだ。死んだ数も相当らしく、飼われていた猫たちの状況は想像を絶する。不妊手術は、主義や好みの次元を越えて必要不可欠と思われる。動物の生きる目的が子孫を残すことであったとしても、ペットオーバーポピュレーションとなったこの社会で猫族が人と平和理に共存するためには、やむを得ない処置だと思う。 補助金は飼い猫のみ、一人一匹、などと心の狭いことを言っていないで、本当に野良猫問題を解決しようと思うなら、行政は野良猫にこそその取り組みを進めていってほしいと思う。私は一度も行政区からの補助金を受けたことがない。限られた低収入の中から、馬鹿じゃないかと呆れられながら進めてきた。 まるで苦しむために生まれてきたような子を見るのは耐え難い。際限がないとか、もっと自分の生活を、とか、いろいろ言われ立ち往生する事はあったけれど、できる範囲で頑張ってきた。人懐っこい子と平行して、オリジナルメンバーをさておいても、ぽつんと紛れ込んできた子達は、えさ場を追われて見失う前に保護してきた。18匹が河原から暖かな家族に迎えられていった。沢山の人たちに助けられた。でも、たったの18匹だ。 現在のリストには43匹・・。マユちゃんの仔猫はまだ入っていない。 昨日そっと入れておいたトレイが空になっていたのに気づき、出すために、メイン猫舎隣接小屋の扉を開けて中を覗いた。マユちゃんの仔猫たちが二匹でぷるぷるかたまって私を見た。また戻っていた。 新たに生まれてくる子や捨てられてしまう子をゼロにできない現実を思うと、無力感がどっと被さってくる。 |
Wed, 18 Sep 2002
やさしいおじさん
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青く晴れた空に、ちぎった綿みたいに散らばった雲の縁が光っていた。 この所続いた悪天候にうんざりしていたからか、深呼吸したくなるきれいな朝だった。 原っぱには猫が散らばっていた。「自分たちはこれからごはんを食べるのだ」という意志の漲った体が妙に存在を主張していて、ただ草がないから目立つだけではないように感じた。 ぼーくらはみんなっ、いぃーきてぇいるぅ、だ。一緒に歩けば元気いっぱい。うっかり蹴り飛ばさないように気をつける。ソックスハチコ確認。えさ場に入ってこないので、境界線の茂みまで配達してあげた。 片づけ終わる頃、ノコちゃんに惚れちゃったおじさんが、いそいそと土手を下りてくるのを確認。ノコちゃんがおじさんの気持ちに応えるべく、ゆっくり歩いていく。食べ終わった子達まで、あっちのメニューは何だという感じで寄っていった。囲まれたおじさんを見て「はまっちゃったな」って、可笑しくなった。 3年前にいつも来ていたコマツのおじさんは、足が痛くてもう来られないと私に猫の事を託した後、事故にあってしばらく入院し昨年5月に亡くなった。犬の散歩の人から聞いたのは夏で、河原の猫たちの写真を持って家を捜し当てお悔やみに伺った。病院で「白い猫はどうした?」と気にしていた、うちには白い猫はいないから変だなぁと思っていた、と奥さんが話してくれた。まさおくんのことだと思った。遺影を見ながら、猫には本当に優しい人だったと言う。河原から連れてきたい猫がいたらしく、何度も奥さんに頼んでは、これ以上はだめだと止められていたのだそうだ。 コマツのおじさんは元大工さんで、土手を歩いたのは、脳梗塞で麻痺した足のリハビリをかねた散歩のためだった。木の下で雨に濡れた二匹が寄り添っていたのを発見し、翌朝、そのうちの一匹がそこで死んでいたのを見、通うようになったと話してくれた。雨風しのげるように私が猫のためにするあれこれを、いつもありがたがってくれた。奥さんが茹でた魚や、蓋を開けた猫缶を持ってきていた。 猫に囲まれて何時間でも座っていて、当時仔猫だったクロちゃんなど、背中に張り付いたり、帽子の上にしがみついたりして甘えていた。 やさしいおじさんというのは、忘れた頃にまたあらわれるのだ。 |
Tue, 17 Sep 2002
忠猫ハチ子
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朝、土手を下りていく道(滑走路)の分岐点近くに、その道の真ん中に、ソックスがちんまり座っていた。急ぐときは猫ポイントまで土手を走って自転車を止めるので、下の道は通らない。 目があって、私(えさ)が来たのを無表情に見た。少し通り過ぎてから、動かないソックスの後ろ姿に声をかけた。「ソックス」はただ識別のために便宜上つけた記号なので、自分の事だと思っていない。一体何を待っているのだろうと思いながら振り返り振り返り、猫ポイントへ行く。 いつものみんなにいつも通りに配膳した。チーコの鼻を拭けた。クロ長しっぽや兄ちゃんや叔父さんやノコちゃんサビちゃん。それにまさおくんまで撫でた。 「ガチャ」「ソックス」は、来るときはよほどの覚悟で入ってくるのだし、タイミングが悪いと入り損ねて、原っぱの境界線に配達してやらないと食べられない。新参というのはなかなか大変だ。今朝は私のいる間に来なかった。 ソックスのあの姿は、帰らない主人を待つ「ハチ公」を彷彿とさせた。松林出身のノラではなく、成猫になって捨てられた事も考えられる。 「ソックス」改め、「ハチ子」にした。白いソックスをはいたキジ猫ハチコだ。 慌てて撮った食事中の写真しかないので、可愛いアップは近いうちに。。 |
Mon, 16 Sep 2002
連休ずっと晴れ間なし
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雨の日用フル装備で河原行き。 冷たい秋雨前線の雨で、猫たちも寒そう。猫舎の中でひしめき合っていた。 私も冷えて、とても長い時間はいられなかった。 猫舎に入らないメンバーが雨の中を帰っていくのを見送った。 帰りみち、破れたビニールハウスのある茂みから松林出身の「ソックス」が出てきてクネクネした。この辺がガチャと二人のねぐらなんだと思う。昨日とおととい続けて会っているので、甘えんぼだって事は知っている。不憫だ。 |
Sun, 15 Sep 2002
役者根性
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日曜日は人が多い。河川敷にも土手の上にも人がいる。 草が無くなって見通しが良くなった原っぱで、猫も無防備に寝そべるのは危険だと知っているのか、木の下や空いた土地の縁に、何かあったら逃げられる格好でくつろいでいる。 作業道具を持参して、新しい草を刈ってきた。黙々と草刈りしていると、行き交う人が土手の上から猫を見つけ、立ち止まって眺めたり呼んだりするのが聞こえてくる。子どもに猫を見せて話しかけている家族連れもいた。ほら黒い猫ちゃんと白い猫ちゃんといるわね、小さい子もいるわね、可愛いねー。 これは「とても平和な光景だ」と言えないでもないけど、無性に不安が募った。ピンちゃんはいい役者根性を持っていて、土手の草の中を駆け回って注目を集めていた。寄ってくるのがおもしろいからか、可哀想に思うからか、時折おひねり(食べ物)が投げられる。食後のピンちゃんは空腹ではない。好奇心から飛んでいく。私のように「ねこまんま」携えて通い詰める常連客がいなくても、ピンちゃんだったらやっていけるかも。 しかし・・ 想像するのは容易だ。食べ物に見せかけて、石ころやゴミを投げつける人も出てくるだろう。いつだったか、河川敷のゴミ拾いに来ていた近所の中学校の生徒が、ゴミ拾いに飽きて、二三人で鳩の群れに石を投げて遊んでいた。自分の行為の結果を、倒れるか死ぬかした鳩に見いだしたいのだろうか。咎めれば「悪気はない」と言うだろう。時折人は、生き物の営みをただ見ているだけではつまらないと、高見から手を出して楽しみたがるのだ。 残酷な遊びに発展する。 みんなが無事で生きること、それだけを願っている。 クロボスにフロントラインスプレー。一吹きしゅっとかけただけで遙か彼方へ逃げていった。 息もせずに「てっテメーオレ様に何スンダヨっ」とちっこい目を見開いて振り返った。。ボスの肝っ玉は蟻さん並かも。 当分シラミにたかられたままかな・・ヤレヤレ・・ |
Sat, 14 Sep 2002
あおっぱなチーコ
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隣のキャンプ場にも草刈りが入ったようで、一面平らになってしまった。遊んでいる猫たちの目立つこと。 ねこ原っぱ隅に積んだ草の三角山は、ずんずん朽ちて小さくなった。新しい草がそこかしこに吹き出した。草は強い。 煙草片手に若い青年が猫舎をめくって覗いており、後ろから挨拶したらびっくりして一歩下がり、ずいぶん猫いますね、だって。 中の猫たちは怯えて隠れていて、声をかけても半信半疑だった。 いつ雨が落ちてくるかわからないような暗い空で、猫たちも元気がない。集まりは悪かったけど、一通り済んでから掃除を始めた。かまぼこロッジを中と外と作り直し、毛布を敷いた。黒叔父さんが入った後、狭いのにサンタが追うように入って添い寝していた。ピンちゃんとサンタはいつも叔父さんで暖を取る。 珍しくチーコがいないので探し歩いた。声に反応して出てきた顔を見たら、青っぱなが二本柱になってたれている。 ご飯時しか甘えない子なので、手に隠し持っているタオルをちらっと見て逃げの構え。遂に拭けず諦める。 昔の子どもはみんなこんなだった、といえばそれまでだけど、なんだか息が苦しそうで可哀想だった。 お母さんとサビちゃんと代わりばんこに拭いて撫でて櫛ときしてきた。やきもち焼きのお母さん、サビちゃんの番になると怒った顔になって背中の毛がざわっと立つ。サビちゃんはアゴの下のリンパ腺が腫れていて、口の中が痛いようだ。食べるとき首を振るのはそのためと思われる。 何もしてやれないけど、痛みが少しでも和らげばとステロイドの錠剤を飲ませた。 |
