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Fri, 15 Nov 2002

ちんすこう




チーコは遅れてやってきて、ニオイ嗅ぐばかりで全く食べない。
チーコのためにごちそう缶一個追加。
他の子が食べた。

ガオがきて騒いでいたから、ガオの食事を優先した。
珍しく、台の下に「コハチ」の姿が見えた。
昨日と同じに、足下にいたクロボスの顔を「おにぎりオニギリ、ナデナデ」撫でる。ついでに口を開けて中を見た。何で見たのか、よくわからない。そんなことだってできちゃうくらいに、あの凶暴だったボスがおとなしいということで。
猫の下あごって、沖縄のお菓子「ちんすこう」みたいだ。(あの素朴な味わいは私のお気に入りだ。)
鼻水を派手に飛ばしているうちの子「ひよし」の白いアゴも、ちんすこうだ。クロちゃんは例外的にアゴが短く、こうはみえない。
ボスのあごはあまりおいしそうじゃないね。
さしづめ・・黒カビの生えた黒糖味・・うへえ・・
ありゃ、キミは前の牙が一本無くなっているね。
激しい時代を生きてきたんだね。
良くここまで生きてきたね。
よく頑張った、うん、うん。

てな場合じゃないんだけど、僕らみんな待ってるんだけど・・・

集まったみんなの視線を感じて、猛スピードで配膳再開。

背中の皮膚炎、回復に至らず「いまいち」のまさおくん。

片づけの合間、ベンチに座って、膝に乗ったサビちゃんを落とさぬよう抱きながら、古メンバーの健康状態について思い巡らす。
座っているうち、消えた猫たちの気配でふわっと暖かくなった。あちこちから懐かしい顔がのぞきそうだ。
昨夜、撮り貯めた写真を遡って見たからかもしれない。

最後にソックスが走ってきた。
自転車を土手の上に置いたから、私の到着に気が付かなかったみたいだ。不満そうに走ってきた。付き添って竹藪に戻り、ソックスにソックスの分を置いてやる。
食べ始めたのを見届けてから仕事に向かった。

Thu, 14 Nov 2002

お兄ちゃんの変


明日もまた会おうねって一生懸命伝えたつもりだった。
小夏、今朝は会えず。

ちょっと前まで、私の両の腕の下に入って、ごはん催促の頭突きをガンガンしていたのはチーコとお兄ちゃんだった。
不調チーコはまだ本来のチーコじゃない。とにかく食べてくれるだけで、よし、と思うばかり。お兄ちゃんここ3日私がいる間にエサ場に来ない。ソックスやガオで荒れるエサ場を嫌って避けているとしても、今日はどちらも居ないのに来ない。しゃがんだ足の間にすっぽり潜って、ゴロゴロゴロゴロクロボスが甘えているのがなんだか当たり前になってしまって、改めてそんなボスを眺め、手のひらで顔を包んで頭を撫で、「キミはずいぶん変わったねぇ」と言ってみた。一段落してから兄ちゃんを捜し当て、声を掛けた。
「お兄ちゃん、ごはんなのに何で来ないのじゃ」
なにか変だ。さっと逃げて、止まった所で頭をぶるぶる振って、振りすぎて仰け反って倒れ、立て直してから斜めに座った。・・・相変わらず・・と言っていいだろな・・変だ。

ごはんに意欲がなくなったのか、人間嫌いに趣旨替えしたのか、その辺の所を聞かせてほしかった。

Wed, 13 Nov 2002

小夏無情


朝の挨拶にぎにぎしくしながら、あっちこっちに首を振ってみんなを確認。クロボスがハナをたらしながら走ってきた。ゴロリにチーコ、まさおくん、コシロ、サビちゃん、ハッチ、ピンちゃんサンタ、クロジジ、お母さん、ノコちゃん、クニクニ、チビまゆこ、コキジに片目。ざわざわ音もなく竹藪へ流れてくる。
もう覚えられない。とにかく猫がいっぱいなのだ。
誰が居なかったかは後で判明する。

小夏が来た。振り返ったら居た。

何事もなかったかのように静かに食べていて、次に見たときはちんまりと、行ったり来たりする私の通路の真ん中に、じっと座っていた。顔は下向き加減で、積極的に私にまとわりつくわけでもないし、期待でじれているふうもない。

私が河原でみんなに会う短い時間に確認できなかったからといって、その子が河原から「消えた」「エサ場からはじき出された」と気を揉むことはない、「後からそっと来て食べているのかもしれないのだから」
昨日そんな風に励まされた。
久しぶりに小夏が出てきて、ホントにその通りだと安堵した。

甘えん坊の小夏がただ佇む姿を見て、いじらしく思った。痛ましく思った。
甘えさせてあげるだけの時間もないのに、立ち去る寸前に、小夏の頭を撫でた。「また明日ね、明日も来てね」
突然小夏がほどけてしまって、自転車に向かう私を追いかけた。

こういった振り切り方、見捨て方が、彼女の気持ちをどのくらい傷つけるかわかっているつもりだ。
だけど、私は小夏を心配していたのだと、来てくれて良かったと思っているのだと、伝えずに行くわけにはいかなかった。
仕方ない。

やい! 小夏を捨てたやつ! 
何でこんな良い子をこんな目に遭わせるんだ!

Tue, 12 Nov 2002

“立て直さないと潰れるぞ”警報




仕事関係の提出書類を仕上げるのに午前3時までかかったり、
夏物を片づけて冬の衣類を出すために、山積みの荷物と格闘したり、ベランダの草花の手入れをしたり、未整理の通信物や文書レシートなど、積もりに積もって「もはや“山”だ、わけがワカラン」「そう思うなら捨てるなり整理するなり何とかせよ」、だし、
いよいよ限界に来た水槽のお掃除で寝られなかったり、
これでもかというくらい、寝られない日々が続いている。

何にもしないでパッと布団にはいれたらどんなに良いかと、そればかり切望する毎日。何でこう事々を抱え込むタチの人間なのかと、我ながらうんざりだ。

目覚まし以上に確実だった我が家の大将「ヒヨシ」が、昨夜から風邪の症状が顕著で元気がない。寝過ごしてしまった。
立て直さないと潰れるぞ警報を発令。反省する。

チーコが食べてくれてどんなに嬉しかったか。
苦労しないで薬も口に放り込んた。
無抵抗だったのがチーコらしくなくて心配だけど、とにかく飲んでくれたので、少し気持ちが楽になった。

ソックスハチコ、配膳待ちのあいだ大騒ぎ。このくらい気合いが入っていないとはじき出されてしまうのだろう。私の足下でべったりだったクロボスと、ごはん欲しさに接近しすぎたゴロリが、ソックスハチコのパンチを浴びて「ギャッ」と短い悲鳴をあげる。チーコはなんとか守ってあげたから、無事だった。
ノコちゃんも元気がない。エサ場に来ないで原っぱの隅でうとうとしていた。屈強な若者というより、色白の優男タイプ。トーマス・マン「魔の山」で、胸煩って療養生活を送る青年、ノコちゃんと重なる。
彼には初めての冬になる。
構想が浮かんできた・・「魔の河原」主人公アンニュイ「ノコ」ちゃん

Mon, 11 Nov 2002

チーコ危うし


昨日竹藪を出て帰ろうとしたとき、向こうの草の中でチーコが、“おなじみの”ポーズで力んでいた。
こちらもつい立ち止まって眺めていると、なんとも正体のないウンチをタラタラして、つらそうに見えた。そこへコシロがいそいそと近づいていって、顔の方から挨拶した。無神経なやつだ。
いつの間にかチーコの1.5倍に成長した。チーコはいつまでもやせっぽちで小さいから追い越されてしまった。

「チーおねえさん、こんにちは。何してるんです?」
「・・・」
「だってホラ、今日はお天気も良いし」
「・・・」
「存在感って言うのかな、ボクなんかにはとても真似できないナ、尊敬しちゃうなー」

チーコは憮然と、振り返ってニオイなど確かめることも、砂掛けもせず、去っていき、代わりにコシロが頭を下げて匂いを嗅いでいた。

そんな事があった翌朝なので、チーコの不調は予定通りなのかもしれない。でも、ごはんに出てこない、それどころでないなんて事は本当になかった。誰かいない、重要な誰かだ、誰だっけ?と猫舎を覗いてみたら、真ん中の見晴らしの良い箱から顔を出して、けだるそうに私を見た。

お母さんの子、クロちゃんの妹、不治の病、青っ洟、小さいけれどしっかり者で、誇り高き裏ボスチーコ、

復活してほしい。

Sun, 10 Nov 2002

小夏やーい


小夏が姿を見せてくれない。
一週間になる。心配だ。

猫缶14個+カリカリ500g、カリカリ1kg、ミルク1?、水1.5リットル。
この支度で30分はかかる。薬、ペーパータオル、除菌スプレー、猫拭き用濡れタオル、出席簿。これから寒い日は、寝箱に入れる携帯カイロ20枚ずつも加わるので、毎日の荷物はかなり重い。
早く行ってあげなくちゃという思いと裏腹に、休日はあれこれたまった家事をしてから河原へ行くので遅くなってしまう。今日は特にタイミングが悪くて、まさおくん他、常連さんでも会えない子が多かった。用意したごはんが残ってしまって、無念じゃ。
猫たちは、洗濯も掃除もしないで、ただゴロンゴロンして、駆け回って、汚れた体をせっせとなめるばかり。いつだってゆったりして見える。私はといえば、髪振り乱してわさわさしていて、情けない。猫を見習って身だしなみに気をつけよう。
もうちょっとなんとかユックリ生きられないものかと、心から思った。落ち込む。

昨日の夜のテレビで、仙人のような画人(熊谷)の猫を見た。その人の作品、生き方、毎日の過ごし方、ただただ圧倒された。
キャンバスの中の猫のすばらしかったこと・・・

Sat, 09 Nov 2002

ほすぴす


口の中の傷なので、予定通りに抜糸の運びには至らなかった。
マルちゃんのパラボラ生活は後数日続く。

河原の猫たちに大急ぎでデリバリーサービスしてから、ホスピスでまどろむ叔母を見舞う。付きそう従姉妹に、コーヒーの好きな叔父に、と、包んでいったセットを渡した。
しばらくしてから叔母が、「コーヒーをありがとう」と。ほとんど声にならない声でささやいたのを、従姉妹が通訳してくれた。

不覚にも、胸が詰まった。

何も気力が起こらず、夜になってやっと洗濯物をベランダに干した。
寒い夜で、すばらしい月夜だった。


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河原猫の日記



    
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