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Wed, 27 Aug 2008

河原猫8年



河原の猫たちの記録は、黄ばんだ出席簿と共に
まだデジタルカメラを持っていなかった頃から残っている。
記憶を辿りながら、写真を一枚一枚繰っていく。
今はもうすっかり気配さえ無い消えた子たちの
命が至る所で輝いている。
定期的にごはんが運ばれる確実な餌場として
河川敷の猫たちがここに集まった。
その数40以上60未満と膨れあがっていて
不妊手術の道険しくなった。
猫が集まるのを快く思っていなかった地主さんが
放置すれば手のつけようがなくなる草に
春先から2ヶ月ごとに除草剤を撒いていた。
草はみるみる変色し、立ち枯れていく。
餌やりはいつも仕事に行く前の早朝、
たいてい、撒かれてしまってから気づくのだった。

除草剤の原っぱで、猫たちがころがり、毛繕いし、身を寄せ合う様子を
改めて見ただけで涙が出る。
もとよりいて欲しくない猫、生きようが死のうが知るかの猫、
それで健康を害したところで
どうってこたあないのだ。
私には、その「こころね」が恐ろしく、
人というのはいつから、そこのけそこのけ人間様が通るに
成り下がってしまったのだろうかと
ふるえるほどに悲しくなるのだ。

生死を確認できぬまま失った猫たちの数の多さを
いまなお、どう受け止めたらよいか分からずにいる。

生き残った猫たちは本当に強い。
暑さも寒さも病気も人間も
上手に交わして生き延びてきた。
最後を見送らせてくれた猫たちはやさしい。
その死に行く様をもって、私をいたわってくれたのだ。

除草剤が撒かれなくなった事だけは
残っている猫たちのために喜んでいる。
ノーリードの犬に追い回されることも最近無くなった。
猫たちに何か悪さをしようとする人間の悪意は
四六時中注がれるので、心配は絶えない。
シロママや花子やヨーコママは河原に通い始めた頃からいた。
ピンちゃんもトラ地蔵様も、弱ったり立ち直ったりしながら、
その命の営みを続けている。
クロスケコハチケイちゃんビータン、キジ丸ミルクムギ、みな
河原暮らしが長くなった。
ずーずーは弱らぬうちになんとか引き上げてあげねばと思う。
一人で淋しそうなブー、おじさんちで一人生き残っているとっとをいれて
本日の確認猫数15.

お天気が悪いまま秋の訪れ。
虫の声が大きくなってきた。


Tue, 26 Aug 2008

ほかに猫さえいなければ・・



新ちゃんって ひょっとしたら悪魔かも・・
頭が熱っぽいからそう思うのではなく、
本気でそう思えてきたところである。

うちの猫たちの恐がり方といい
甘えん坊から強面への豹変の仕方を見るにつけ
ぬめっとした立ち居振る舞いを見るにつけ
さもありなんと思えてきた。

昔の日記を読み返してみると
小夏は河原時代
みんなが手を焼いていた新ちゃんに
果敢に立ち向かっていた。
並んでごはんを食べたりして、負けない猫さんであることを
しっかりアピールしていた。

また会ったが百年目!
親の敵に出くわした女剣士さながら
新ちゃんに挑む。
割って入らないとアブナイほど、めちゃくちゃ興奮する。
大将ヒヨシをはじめ他のメンバーは皆お手あげで、
影響のない高い場所へ避難しているというのに
まるで悪魔払い、
悪霊と対決する霊媒師さながらの真剣さだ。
新ちゃんも牙をむいて小夏を払う。
早く何とかしないと、みんなが不幸になる。

新ちゃん特有の邪気は主に猫仲間に向けられる。
押さえ込むほど甘えさせてくれる飼い主が必要だ。
他に猫さえいなければ
生涯従順にふにゃふにゃ甘えて生きるだろう。
他に猫さえいなければ、
これが新ちゃんのキーワードになる。
私が日記に書いたのを見て、弟がそれとなく母に聞いてくれたらしい。
けんもほろろに「やだよ」だそうだ。
もう一押ししてみよう。

「おかあさーん、新ちゃんもらっておくれー」

河原は今日も雨。
シロママ、トラぴんクロスケ、ずーずー、ヨーコママ、
ケイちゃんコハチ、ビータン、ミルク、キジ丸、とっと。
確認猫数12。

Mon, 25 Aug 2008

天候健康不良


枯れたツゲの木に咲いた三毛柄の花一つ
もうちょっとよく見たくて近づくと
ひらりと落ちてしまいました


21日の雷雨以来、ジメジメと雨ばかりの日が続く。
河原はすっかりしめってどこも冷たい。
シロママはずっとガオの道餌台で一人。
トラぴんクロスケずーずーヨーコママ、
材木置き場メンバー5匹の結束は固い。
ケイちゃんコハチビータン、
竹薮の3匹もこのところ動かない。
ブーもちゃんと来て、竹薮か野球小屋かで
しっかり食べていく。
キジ丸はギコギコ井戸の裏側の藪から出てくる。
ミルクは見たり見なかったり、今日は会えず。
ドラム缶で待っているムギちゃんは
ほぼ毎日見る。
確認猫数13。

風邪を引いたのか熱を出し
頭痛と吐き気にダウン。
仕事を早く切り上げてひたすら寝て
夕方の河原を何とか往復した。

Sat, 23 Aug 2008

しっぽのように長い話

そのお家のおばあさんはお家の猫だけでなく
外の猫にもごはんをあげていました。
どこにでもある話かもしれませんが
おばあさんが病気になって入院してしまい
猫たちが残されました。
その家には弟おじいさんが住んでいましたが
猫の世話はできません。

おばあさんのお友達が
猫たちのために餌やりに通いました。
おばあさんの家猫も外に放り出され、
家の子と外の子と2匹で
餌やりおばちゃんを待つのです。

黒次がどうやってその2匹と出会ったかは
知る手だてがありませんが
とても気だての良い、優しい猫たちだったので
腹を空かせどこへ行くったってあての無かった黒次を哀れんで
誘ってくれたのでしょう。
3匹でごはんを待つようになりました。
ある日忽然と増えていた黒次に
「あんたはだあれ?」「どこからきたの?」
聞いてもただ「ごはんをください」を繰り返すばかりでしたから
「まあいいか、あんたは黒猫だからくろこにしようね」と
2匹と同じようにごはんをあげてくれました。
「まあくろりん、今日も来たね」
そこで安心して食えるようになった黒次は
なんだか昔からずっとそうして食べていたような気分になって
落ち着いてしまいました。
食えずに彷徨っていた辛い日々も忘れてしまいました。
あんなに沢山貼り歩いたのに、
餌やりおばちゃんは黒次の捜索チラシを見ていませんでした。
ポスティング作戦に切り替えてから、ようやっとその人に届き、
探されている黒猫はひょっとしてこの黒猫かしらと連絡してくださったのです。

黒次を迎えに行く道中、洋ちゃんアミちゃんの行った町を抜けました。
故郷の河原を目指したはずが
でたらめにあっちへこっちへ歩くうち
もしかすると、洋ちゃんの匂い、アミちゃんの匂いが風に運ばれて
黒次の鼻先をかすめたのかもしれません。

なんだかそん風におもいました。

 
洋ちゃんの歌声に 横滑りで引き寄せられる黒長黒次 白い腹毛が見える
(参照 9th Jan,2006の日記 洋ちゃん2)

ごはんを食べに現れた3匹のなかの黒猫を見てすぐに
それが間違いなく黒長シッポの黒次だと確信しました。
物置の餌場で食べる黒次
安心の餌場に、おばちゃん以外の人間がふたりも来たのにちょっと驚いて
ずりずりさがりかけたのを、おばちゃんがごはんで引き留めてくれましたので
呼びかけながらそっとそばに座り、手を伸ばし撫でてみました。
抱っこしてお腹の白い毛を確かめました。
食べる様子もまさに黒長黒次。
わたしもよしこちゃんも、感極まって叫びそうでした。

よしこちゃんちでそのままになっていたケージに
黒次は再び戻りました。
餌やりおばちゃんも「見届けたい」と言って一緒に来てくれました。
爪を切り、蚤取り薬をつけ、

やがて黒次がのどを鳴らしてくつろぐまで念入りにブラシをかけました。

どうか環境の変化を不安がらずに
よしこちゃんが心を込めてきみのためにこしらえてくれた全部を
受け取っておくれクロや。
4ヶ月。随分長い旅だったけど、おかえり、よく帰ってきたね。
痩せもせず、くたびれもせず、よく帰ってきたね。
何千枚も刷った渾身の捜索チラシはメモ用紙になりました。
来週のポスティング部隊はとりあえず解散し
今後は「ありがとう戻りました」チラシ貼り貼り作戦でしょうか。
苦労した黒次と苦労したよしこちゃんに
恵みの雨が降る夜です。

改めて地図をじっくり見直してみますと、
よしこ宅から黒次発見場所までの直線距離は約1.7km。
よしこ宅から洋ちゃんアミちゃんのお家までは約0.83km(とても近い!)。
ちなみに、洋ちゃんを私の家の前で逃がしてしまったときは
2ヶ月の不明期間、ごく近所で食いつないで生きていました。
発見場所までのその距離は50mでした。
成猫雌のガチャは私の家から河原へ3kmの道程を2ヶ月半で歩きました。
成猫雄の黒次が、山越え野越え、複雑な地形の住宅地を4ヶ月
行き当たりばったりで歩き続けた行程が偲ばれます。
黒次発見の奇跡が、行方不明になった猫を探している方たちの
希望に繋がりますように。
手だてを尽くして諦めずに探し、どうか見つけてあげてください。

Fri, 22 Aug 2008

黒次見つかる!

4月の事件の後、一週間の不明期間を経て
やっと竹薮に戻ってきた黒長シッポを保護し
9日、よしこちゃんに託した。


黒次くんになって家猫修行開始。

新しい環境にも家族にもだんだん慣れてきたと安心したのに
窓から外に出て行方不明になった。
以来、
精魂込めて作ったチラシを貼り回り、必死の捜索が続いた。
5月が過ぎ
6月が過ぎ
7月も過ぎた。
寄せられる情報のほとんどが違う黒猫で
その都度期待にふるえながら駆けつけたよしこちゃんが
「一体どれほどの黒猫に会ったか分からない・・」と
振り返る。
8月もまた、空しく過ぎていくのか・・
捜索チラシをいったん全て撤去しポスティング作戦に変更。
写真を眺めてため息をついた昨日の今日
黒次が見つかったと連絡があった。

ついにその日が来たかと、胸がつまった。

山一つ越えて下った住宅地の中で
この一ヶ月外猫としてごはんをもらっていたようだ。
そこへ行くまでの数ヶ月は、食べられずに彷徨ったのだろう。
食べている子たちの後ろで、
しょんぼり物欲しげに見ていた姿を思うと胸が痛い。

明日一緒に迎えに行くことにした。
4ヶ月も会っていないので心配だけど
どうしても行かなければと思う。

諦めずに探し続けてくれたよしこちゃん
ありがとう。
流した涙の分だけ、それ以上に
これからの日々が幸せでありますように。
労をいとわず一緒に探し歩いてくださったみなさん
心配し、無事を祈ってくださった皆様
ごはんを食べさせてくれた方に
ありがとう。
やっと見つかった黒長シッポの黒次君
生きていてくれてありがとう。
ほんとうに
ありがとう。

シロママ、トラぴんクロスケ、ずーずー、ヨーコママ、
ケイちゃんコハチビータン、ブー、キジ丸、ムギちゃん、とっと。
確認猫数13。


Thu, 21 Aug 2008

夕立

それは時々ある事なのだけれど
書くと翌日会える。

花子がいた。

シロママ、花子、トラぴんクロスケずーずー、ヨーコママ。
とらちゃんのげっそりとずーずーの目やにが気がかり。
ヨーコママも調子が良くない。
ケイちゃんが枯れたツゲの木に登ってじっとしていた。
コハチが刈り終わった草の上でまどろんでいた。
材木置き場のメンバーに食べさせている間は
まるで関係なさそうにそのまま動かず
私が立ち上がったらふたりとも竹薮に走っていった。
ビータン、キジ丸、ブー、ムギちゃん、とっと。
確認猫数14。
  
ぼくだって のどかに 平和に 暮らしたいんだ ふあぁ>ブー
配膳が一通り終わる頃
空に真っ黒な雲が広がり
大粒の雨がポツリポツリ落ちてきた。
土手の道を走ったとき雷が強烈に光って怖かった。
家路へ急ぐ親子が「近いね」「恐いね」「凄いね」と
声を掛け合いながら自転車を懸命に漕いでいる。
もう少しでずぶ濡れになる一歩手前で
家に駆け込めた。
気温がぐんと下がって、
久しぶりにクーラーも扇風機も要らない夜だ。

Wed, 20 Aug 2008

材木置き場を離れたシロママ

ガオの道の餌台でシートを上げ、ドライをセットしていると
シロママがすぐそばに現れた。
恥ずかしそうに四肢をつっぱらせ
木の枝に頭をこすりつけ、
顔を斜めにし
上目遣いで
繰り返し繰り返し、礼を述べる。
聞こえるか聞こえないかの「にーにー」を
口の中でもごもごやっている。
それは

「頼まれたからってぇわけじゃないけど
ちゃんとここで守っていますよ、ハッチ。」

に聞こえ、
「みんなと離れてシロママこそ淋しくないのかね?」
と聞けば
「さみしいだなんて
そういうのは私にゃぁたいして
いみのない話」なのだそうだ。
シロママの好きなミルクと、ごちそう缶の開けたてを一皿置いて
食べ始めたママのそばをそっと抜けて次へ行く。


トラぴんクロスケズーズーに会い
竹薮で、ケイちゃんコハチビータンに会う。
久しぶりに元気な姿を見せてくださったOさんと
律儀に通ってくださるMさんが
なかよくギコギコ井戸で洗い物をしていた。
ブーもいたし、キジ丸も、ムギちゃんもいた。

最後に、「そういえばいないわね」
「そうそう、まだ見てないわ」のヨーコママを探して
みんなでウロウロし
諦めて帰ろうとしたところで
「いたわよー、いたいた」と声が上がった。

花子はどうしたかしら。
ミルクはどうしたかしら。
確認猫数13

メロンとチビチビクロ順調。



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河原猫の日記



    
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