Mon, 22 Nov 2004

まさおくん物語




ボクはまさおくん。
最近パッとしない。
背中の毛が抜けて見栄えが良くないものだから、
まあすてき!なんて騒がれることもなくなった。
ひと頃ボクは、神様の生まれ変わりなのでは?と
ヒトにも言われ自分でも思い、
輝かしい日々を送り暮らしていたものだ。
落ちぶれ方から鑑みるに、
その線は消えた。
さて、ヒマをもてあましていると、
例の籠を持ってぼくらのエサが立ち上がった。
嬉しくなって走り出してしまった。
キャンプ場の欅の木を縦に駆け上り、
3mほどの高みで爪研ぎしてエサをあっと言わせ、あっと言っただけで行ってしまうから、慌てて後を追った。
このまま洗い物見物に突入・・のはずが、アミちゃんが横から割り込んできて、エサをぴったりマーク。唖然とするボクを残して行ってしまった。しきりにひっくり返ってボクより良い所を見せている。しばらく考えた末下へおりて、ボクも負けじと水道の所まで走っていった。エサに頭突きしたりスリスリしたりする習慣がないので、行ってはみたものの何をして良いか分からない。さらに、小夏が来て、水が跳ねるのもお構いなしに、汚れた器や空の缶に鼻先を突っ込んで、ごはんの催促をしている。ここはごはんの場所じゃないから甘えたって駄目さ。ドテンドテンが止まらないアミちゃんと、小夏のスリスリに、ボクなど霞んでしまって呼んでもくれなかったけど、いいんだ。そういうことを望んで行くわけじゃぁないからね。

回収が終わってからっぽになっているゴミ籠のところに、金目のキジ猫と白黒のコハチが、間抜けな顔で途方に暮れていた。
哀れな奴らじゃ。黒長はいないけど、サンタとピンがセットでいたから、竹薮へ行けないんだね。
洗い物とゴミ出しが済んだぼくらのエサを、ボクとアミちゃんと小夏で、追いかけた。小夏はどんなに呼ばれても、キャンプ場まで上がってこられなかった。キャンプ場に洋ちゃんがいたので、アミちゃんは追跡係を洋ちゃんに任せて消えた。
落ち葉の中にガチャがいた。目をきょろきょろさせなければ、ほとんど葉っぱ色だから猫とは分からない。
エサがガチャを呼び寄せて撫でくり回すのを、至近距離で観察した。ボクにその気はない。見ているだけ。
ガチャの奴、ウネウネしながらボクと目が合うとわめく。カンに障るわめき声だし、きょろきょろするのはなんてったっていけない。ぼくらはあの「キョロキョロ」を見たら、たちまち襲いかかりたくなるよう、脳みそに刻まれているのだ。じっちゃんのもっともっと昔のじっちゃんから伝えられている習わしなのだ。
ダダ脱兎、気がつけばおっぱらっちまっていた。
エサは小夏にカリカリを届けに行った。
それもついていって見ていた。
小夏がばくつくのをしゃがんで見ていたえさが、静かにこちらへ戻ってきた。すかさず金目のキジ猫が駆け寄り、小夏の皿に頭を突っ込んだ。小夏は優しい。すぐ譲ってやった。

自転車に鍵を差し込む音がしたから、
見送りに急いだ。
タイヤの下で、どうしても言っておかなければならない事を言いたかったからだ。

「にゃぉぉーーん(明日も来てね」

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河原猫の日記



    
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