Tue, 24 Feb 2004

万能特効薬




竹藪へ入る前、ガオの道で洋ちゃんを見た。いつも竹藪の奥からやってくる子がどうしたことか・・。相棒のアミちゃんは見あたらず、竹藪でも会えなかった。

今朝のまさおくんは、破れビニールハウスの枯れ草の中から飛び出してきた。後ろからついて出てきたのがアイ子様だった。
一昨年の秋、ここへ来たばかりの頃、新参キジ猫「片目」だった頃、彼女はまさおくんから仲間入りの切符をもらった。その後、仲良く一緒に行動するのを見た記憶はない。なぜ一緒に出てきたのか、さっぱり分からなかった。・・何はともあれ無事を喜んだ。

・・犬かな・・。

がらーんとしていて、竹藪が淋しかった。
まっちゃんが上目遣いに私を見上げ、しきりに伸びたり縮んだりする。寂しさついでにまっちゃんをそっと包んで、丁寧に顔を拭いた。口の周りに血が固まっていて、白いタオルが赤くなった。
こんな事でどきっとしてはいられない。
みんなに食べさせなくちゃ、カイロを配らなくちゃ、だ。
仕事前の一仕事、恒例のバッタ配膳開始。
まっちゃんとまさおくんに最初にあげたごちそう缶には、今日も朝鮮人参を湯溶きしたものとコロダイルシルバーが仕込んである。朝鮮人参は、昔々、病気になった貧しい人が、娘を売ってでも手に入れようとした「万能特効薬」・・。具合の悪い子のためにと、遠くから届いた。
完治は望まない。過度な期待もしない。そう言いながら、じつはとても賭けている。病気に負けない抵抗力が少しでもついて、少しでも元気になったらどんなに良いか。一生懸命介護する側にとって、くるしい、あのまま死にたかった、なんて泣かれたらとても辛い。
まっちゃんの胸の内はどうだろう。
朝のストレッチしてお日様浴びて、そんなに自分が悪いとは思っていないみたいだ。ただ、毛繕いがかったるいらしい。
昔美人だったといってもそれじゃぁ誰も信じてくれないだろうね。え?私もそれなりに汚い? だって、こちらは昔っから美人だったこたぁないから、たいしてギャップのない、というか順当な落ちぶれ方だよ。まっちゃんとは違う。
あーそうかい、なんて、嬉しそうに笑うこともなくとぼとぼ日向へ出勤して行っちゃったので、やれやれ、とテーブル上のまさおくんを見れば、
しばらくしょぼかったのに、柔らかく降ってくる光の中で白く膨らんでいて、生気が戻ったように思えた。雨に濡れると猫たちはみんなきれいになるから、元気になったのか雨上がりの効果なのか、どちらとも言えない。
メイン猫舎の台の下には、姿の見えなかったチーコやコシロ、クニクニ、キジオくんが静かに揃っていた。久しぶりのアイ子様もそこに並んだ。ピンちゃんサンタも、うろうろし始めた。もう一人大事な苦労人「金ちゃん」に会えず。「兄ちゃん」にも会えず。「トラ地蔵」もだ。
ヨーコママは、破れビニールハウスを背に、ここにいるよと出てきて写真を撮らせてくれたあの日以来、ずっと会えない。

写真上 寒さにマケズ、新しい芽が出てきたキャットニップ
写真下 元祖河原の白猫 ヨレヨレだった「じっちゃん」

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河原猫の日記



    
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