Sat, 31 Jan 2004

お喋り




乾いた風に吹き付けられて、河原は埃っぽい。
一便のごはんが終わった後なので少なめにしたのに、足らずに現場で追加を開けた。
ゴロリ転がるたびに埃がついて、どの猫も真っ黒け。背中を軽く叩くと砂埃が舞い上がる。いつも兄ちゃんばかり拭いていたので、今日はタオルを多めに持参。金ちゃんや黒長、ピンちゃんも、日の当たる所で拭いてあげた。気持ちよさそうに目を閉じて喉を鳴らした。
マダラが出てきた。ころころ太って、猫に見えなかった。
コキジ姫さまもころころ太って、絵に出てくる狸みたいだ。
白ママがたっぷりしたお腹をゆさゆさしながら急いでやってきて、竹藪入口で私と鉢合わせ、コースを替えて薮に突っ込んだ。
私はギコギコ井戸へ行ってしまうのだからそのまま進めば良いのに、なぜややこしい迂回をするのか、理解に苦しむ。
誇り高き白ママも、あそこまで汚れていると普通の猫さんと変わらなくなる。慌て方も間が抜けていた。最近ちんまり座っている白ママに「ごはん?」と聞くと口を少し開けて「あい」と応える。
ケイちゃんは今日は遅れずに餌場に来て居て、ぶっきらぼうに早く出せと言う。そばに押しやったトレイに落ち着いたのも束の間、隣の芝生・・なのか、他のごはんの方が美味しいように思うらしい。他の子が取りかかっている所へ行っては「どけー」「それをワタシに食べさせてー」と泣いていた。都合3回、ケイちゃんは餌場からどこかへ帰り、また現れる、を繰り返していた。十分食べられたと思う。
井戸では、転がるアミちゃんとお喋りしながらトレイを洗い、埃の背中を絞ったタオルで拭いてやった。洗い物から戻ると、さっきまで三々五々日向ぼっこしていた猫たちが、隅の倒れ小屋の所で集まっていた。何をしているのかと見に行くと、一握りずつ直盛りされたドライがいくつもあって、みんなでもそもそ食べている。誰かが来たのだと思った。お腹がいっぱいでも、新しいモノがくるととりあえず集まって食べてみる。あげた人は、可哀想に、空腹なのだ、と思いながら立ち去ったことだろう。マサルさんはゆっくり原っぱで暇を潰してからヌシっと竹藪にお出ましになり、奧の餌台に直進し、置いてある3つの容器を眺め、ミルクをまず飲んでいた。じっと観察している私を振り返りちらっと見た顔は眼光鋭く、口元を白く濡らしているのが妙にアンバランスだった。何もしないから安心して召し上がれ。

帰り道、ガオの道を向こうからキジ白猫が走ってきた。
花子か、ヨーコママか、確認する前に横の茂みに隠れてしまった。低木下茂みの中に滑り込ませておいたごはんはきれいに無くなっている。回収して、そばにいたハッチに声をかけ、どうしても気になったさっきの子が隠れた裏側を、引き返して覗き込んだ。ヨーコママだった。
今日はちゃんと食べたのか、どうしてこちらにいるのか、なぜ向こうへ来ないのか、
声に出してクドクドと話しかけている間、座ってじっと私を見上げていた。
最後に、ミス河原ポイントのトレイ回収。サム君と一ちゃんが、トレイを下げようと出した手に、ざざっと来てすり寄った。二人を代わる代わる撫でて、ここでもちょっとお喋りした。

話しかけても話しかけても、一方通行。
耳を傾けて付き合ってくれてありがとう。
猫たちの言葉は難しくて
なかなか本音が聞けないのが残念だ。

写真上 ひなたぼっこの「まさおくん」
写真下 大根の茂みが荒らされた所に「星の涙」が咲いている
     春は近い!

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河原猫の日記



    
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