Fri, 23 Jan 2004
忍びの者
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アシスト自転車は修理に出したままだから、今日もどうって事無い普通の古自転車だ。なのに、ほんの少しの力で、苦もなくグングン走る。超人パワーを得たみたいに、いつもの倍のスピードが出た。風の音さえしない。光がいっぱいできらきらしている。 人生でもこういう事ってあるんだろうな。こうした「追い風」のために、何もかもが順調に進んで、ほとんど何もしないで豊かでいられる人っているんだろうな。向かい風の時は、何でこんなに苦しいのか、漕いでも漕いでも前に進まない。あまりの重さにひいこら言って、誰を恨んでいいのやら眉間にシワも寄って、凄い形相になる。 ミス河原の薮、風のために、ブレーキをきしらせて止めたのに聞こえなかったのだろう。誰も来なかった。3つお皿に配膳して立ち上がり、いっちゃん!と呼んだら、3匹がまるで忍びの者みたいにざざっと現れ、それぞれピタリと3手に別れて食事にかかった。なかなかだ。何がなかなかなのかは上手に言えない。 原っぱ&竹藪で会えた子達は、今日は23。ミス河原たちを入れて26・・ 遠くの畑の中に見えたコハチも、勘定に入れた。 クーちゃん不明8日目・・どうしようもない。 まっちゃんを撫でて労い、兄ちゃんの洟を拭いてやり、日向ぼっこに出ている子達をぐるり見回って店じまいした。 河原を出る前に、低木下茂みのトレイを回収しに寄ると、ヨーコママがビニールハウスのところに出てきて座っていた。なぜねぐらを変えたのだろう。なぜ竹藪へ来なくなったのだろう。ミルクを催促していた頃があったのに。毎朝竹藪にいて、ごちそう缶の追加ににじり寄ってきたし、寝箱にも入っていたのに。その理由はあの子にしかわからないことなのだろう。きれいに食べ尽くされていた薮のトレイを引き上げてから、もう一度バックしてヨーコママの姿を見ようとしたら、もう消えていた。 なんだか、私に姿を見せるためにわざわざ出てきたような感じだった。 ガチャ捜索チラシを見て、近所から連絡あり。 河原に戻ったという情報の子は猫違いだったので、やはり近所に潜伏していると思い直している所だ。 何度も探しに歩いたところだけど、生け垣に囲われた大きな農家と、賃貸マンションがごちゃごちゃ建ち並んだ一角だ。道には猫の気配もなかった。奥が深いのでいくらでも隠れる場所はあるのだろう。2階に住むその人は、窓から籠に吊してマンション裏手に猫エサを下ろし、隠れて飼っている家の猫と、下に来る猫を見ているのだそうだ。翌朝にはいつも空になっているから、結構来ているだろうとのこと。ユニークなエサヤリさんだ。以前ごく近所に、沢山の外猫を周囲から出る苦情をものともせずにエサヤリしていた人がいた。その人が30年住んだ借家は取り壊され、賃貸マンションと駐車場になっている。病気のご主人との年金暮らし。彼女は、高齢の飼い猫3匹を安楽死させ、外猫15匹を残して2駅離れた公営住宅に越していった。その時ちりぢりになった猫たちにエサをやりに、毎日通っているのだそうだ。忍びのエサヤリだ。知らなかった。そのエサヤリ場所が丁度、今回ガチャに似た子が来ていると電話してくれた人の住居前で、「せっかく遠くからエサヤリに来ているのに、あんたが先にごはんをやってしまうと誰も来ないからやらないで」、と怒られた、と笑う。潜んでいる猫たちは、エサヤリさんの来る時間とパターンを知っている。その時しか現れない。まだ今日は確認できなかったけれど、諦めないで探そうと気力を奮い起こした。 写真上、破れビニールハウス前に現れたヨーコママ 写真下、がんばれ兄ちゃん! |
