Fri, 26 Dec 2003
エサ場荒しの嵐
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竹藪に入ってごはんを配り始めてすぐ、私を取り巻いた猫たちの輪の遠い所の子が、気配と音に気が付いて逃げた。蜘蛛の子が散る所を見たことがないのでそういう形容がまとを得ているのかどうか不確かだけど、あっという間にほとんどの猫たちがそんなふうに消えてしまって驚いた。一体何が迫っているのか判らず、中断して原っぱを見ると、イチモクサンでキャンプ場を横切って遠ざかっていくハッチが見えただけだ。 それから鈴の音が聞こえた。時々、仕事の行き来で通りがかったM氏が土手を下りて寄って行くことがあり、ウェストバックに下がった鍵の音で、猫たちが逃げる。脅かさぬようそっと歩いてきても、猫たちはとりあえず逃げるのが常だ。 誰かが来たのだと思ったのに誰もいない。ヘンだ。 胸をざわつかせながら再び配膳の続きにかかり、ひときわ大きくなった鈴の音に振り返ると、大型犬3頭が竹藪入口に並んでこちらを覗き込んでいた。鳥肌が立った。一頭が立派な体躯のシェパードだと判った。後の2頭は何の犬種だか、とにかく大きかった。楽しそうに目を輝かせ、舌をだらりと出して薄ら笑いを浮かべ、力をたぎらせていた。ちんぴらと呼ぶには失礼な、堂々立派な飼い犬たちだ。やっていることのたちの悪さは愚連隊だ。コラッと大きな声を上げて追い払った。追い払ったといっても、あちらは全然平気で、しゃんしゃん首輪に着いた鈴を鳴らしながら、畑を縦横無尽に走り、竹藪奥をうろつき、キャンプ場を制覇した。 竹藪から一段川側に下りて行くと、駐車場の向こうに広がる河川敷で、連日朝早くから大がかりに犬のトレーニングが行われている。時には暴走するのもいて、リードを引きずって逃げてきたビーグルを追いつけない飼い主に代わって取り押さえたことがある。 あの犬たちを何とかしてもらわなければと、私も息が切れるほど走った。車の間に立っていた人に聞いても知らないと言う。止まっている車を叩いて、中の人に3匹の犬のことを聞いて回った。誰も知らないと言う。姿の見えない飼い主を探して、闇雲に走った。結局見つからぬまま竹藪に戻ると、猫舎台下の奥でコシロが一人で小さく固まって居るのと、恐る恐る出てきたまっちゃんと金ちゃんとチーコが居て、キジオ君とクニクニは私が戻ったのに驚いて逃げてしまい、確認できたのはそれだけだった。カイロを交換始めたら、また鈴の音。犬たちはまだうろうろしていて、楽しそうに何かに狙いをつけては走り、消えて現れて繰り返していた。 これでまた猫たちが消えた。あんな大きな犬につかまったら、猫などひとたまりもない。 置いたごはんにかぶりつかれたら止めようがない。 誰かがどうにかされたら取り返しがつかない。 そう思って、また飼い主を探した。 ××見つからなかった。 繋留されて飼われる犬。たまには広い所で自由に遊ばせてやりたいと思う気持ちは理解できないこともない。 でも、ここは困る。 困るのだと言いたかった。 朝のエサ場は滅茶苦茶だ。 カイロも中の21枚をやっと入れたところで時間が無くなって、外の寝箱10個はカイロ無しになった。いくらか寒さが緩んでいるので、どうか今日は許してね。 朝のこと、思い出しただけで泣きそうだ。 写真上、足にくっつく草の実、猫にもくっつく。 写真下、逃げ足の早い ピンちゃん |
