Sat, 23 Aug 2008

しっぽのように長い話

そのお家のおばあさんはお家の猫だけでなく
外の猫にもごはんをあげていました。
どこにでもある話かもしれませんが
おばあさんが病気になって入院してしまい
猫たちが残されました。
その家には弟おじいさんが住んでいましたが
猫の世話はできません。

おばあさんのお友達が
猫たちのために餌やりに通いました。
おばあさんの家猫も外に放り出され、
家の子と外の子と2匹で
餌やりおばちゃんを待つのです。

黒次がどうやってその2匹と出会ったかは
知る手だてがありませんが
とても気だての良い、優しい猫たちだったので
腹を空かせどこへ行くったってあての無かった黒次を哀れんで
誘ってくれたのでしょう。
3匹でごはんを待つようになりました。
ある日忽然と増えていた黒次に
「あんたはだあれ?」「どこからきたの?」
聞いてもただ「ごはんをください」を繰り返すばかりでしたから
「まあいいか、あんたは黒猫だからくろこにしようね」と
2匹と同じようにごはんをあげてくれました。
「まあくろりん、今日も来たね」
そこで安心して食えるようになった黒次は
なんだか昔からずっとそうして食べていたような気分になって
落ち着いてしまいました。
食えずに彷徨っていた辛い日々も忘れてしまいました。
あんなに沢山貼り歩いたのに、
餌やりおばちゃんは黒次の捜索チラシを見ていませんでした。
ポスティング作戦に切り替えてから、ようやっとその人に届き、
探されている黒猫はひょっとしてこの黒猫かしらと連絡してくださったのです。

黒次を迎えに行く道中、洋ちゃんアミちゃんの行った町を抜けました。
故郷の河原を目指したはずが
でたらめにあっちへこっちへ歩くうち
もしかすると、洋ちゃんの匂い、アミちゃんの匂いが風に運ばれて
黒次の鼻先をかすめたのかもしれません。

なんだかそん風におもいました。

 
洋ちゃんの歌声に 横滑りで引き寄せられる黒長黒次 白い腹毛が見える
(参照 9th Jan,2006の日記 洋ちゃん2)

ごはんを食べに現れた3匹のなかの黒猫を見てすぐに
それが間違いなく黒長シッポの黒次だと確信しました。
物置の餌場で食べる黒次
安心の餌場に、おばちゃん以外の人間がふたりも来たのにちょっと驚いて
ずりずりさがりかけたのを、おばちゃんがごはんで引き留めてくれましたので
呼びかけながらそっとそばに座り、手を伸ばし撫でてみました。
抱っこしてお腹の白い毛を確かめました。
食べる様子もまさに黒長黒次。
わたしもよしこちゃんも、感極まって叫びそうでした。

よしこちゃんちでそのままになっていたケージに
黒次は再び戻りました。
餌やりおばちゃんも「見届けたい」と言って一緒に来てくれました。
爪を切り、蚤取り薬をつけ、

やがて黒次がのどを鳴らしてくつろぐまで念入りにブラシをかけました。

どうか環境の変化を不安がらずに
よしこちゃんが心を込めてきみのためにこしらえてくれた全部を
受け取っておくれクロや。
4ヶ月。随分長い旅だったけど、おかえり、よく帰ってきたね。
痩せもせず、くたびれもせず、よく帰ってきたね。
何千枚も刷った渾身の捜索チラシはメモ用紙になりました。
来週のポスティング部隊はとりあえず解散し
今後は「ありがとう戻りました」チラシ貼り貼り作戦でしょうか。
苦労した黒次と苦労したよしこちゃんに
恵みの雨が降る夜です。

改めて地図をじっくり見直してみますと、
よしこ宅から黒次発見場所までの直線距離は約1.7km。
よしこ宅から洋ちゃんアミちゃんのお家までは約0.83km(とても近い!)。
ちなみに、洋ちゃんを私の家の前で逃がしてしまったときは
2ヶ月の不明期間、ごく近所で食いつないで生きていました。
発見場所までのその距離は50mでした。
成猫雌のガチャは私の家から河原へ3kmの道程を2ヶ月半で歩きました。
成猫雄の黒次が、山越え野越え、複雑な地形の住宅地を4ヶ月
行き当たりばったりで歩き続けた行程が偲ばれます。
黒次発見の奇跡が、行方不明になった猫を探している方たちの
希望に繋がりますように。
手だてを尽くして諦めずに探し、どうか見つけてあげてください。

Comments


しゃあ wrote:
無事に対面出来たんですね。おめでとうございます。嬉しくて、涙が出ています。本当に捜索お疲れ様でした。黒次くんしっかり家猫になるんだぞ!
先週、私の不注意から超ビビリ野良気質の家猫を外に出してしまい、連日深夜の捜索をしています。
黒次が見つかったこと正直自分の事のように嬉しくまた、待ってるであろう我が家の猫を探すべく気合を入れ直す勇気と希望をありがとうございます。
2008/08/24 03:38:32

りそ wrote:
黒次、元気そうでなによりです。わけへだてすることなく、黒次にもご飯をあげてくださった方、ありがとうございます。そして黒次を迎えてくれた二匹の猫たち、ありがとう。
しゃあさん、早く探している猫が見つかるといいですね。がんばってください。
今日も猫たちが無事でありますように。
2008/08/24 08:38:24

すみれ wrote:
里親募集のポスターも
不明犬猫のポスターも
ポスター主の気持ちが切なくて
どうかこの子達が無事でありますように,
すてきな里親さんと出会えますようにと
願わずにいられません.
黒次は神様に守られていた幸せな猫ですね.
ほんとうによかった。
2008/08/24 09:03:54

ちゅう wrote:
黒次帰る、
河原には怖くてつらいことがたくさんあるけど
奇跡のかけらが宿っていて、
河原の子に すこしずつふりそそいでいた。
そんなふうに思う出来事でした。

公園から消えた子ももうすぐ1ヶ月。
黒次のようにと先日から思っていました。

よしこさん、ひよしまるくんさん、優しいおば様
河原の子を心配されている皆様、
金メダルですね。黒次、よくがんばったね。
2008/08/24 10:19:36

猫屋敷と太陽のママ wrote:
よかった。。。猫好きのおばあさん、そのお友達、猫がつないでくれた縁。よしこさん、諦めない事の大切さを教えてくれました。これからも温かいニュースばかりになりますように。。。すばらしい話で泣けました。
2008/08/24 10:55:58

しろくさ wrote:
黒次が歩いた道、ひよしまるさんがたどったその道を、まるで私もその後ろをついて歩いたような気分になりました。
お忙しいのに丁寧なご報告ありがとうございます。
本当に嬉しいです。
しゃあさんのネコさんは帰ったでしょうか? 帰っていればなお嬉しい!
2008/08/24 18:28:12

taki wrote:
おばあさん、黒次のことありがとう!
どうか引き続き、二匹の猫さんを頼みます!
2008/08/25 01:01:04

ito wrote:
ありがとうございます。
移動範囲は200M~500M位といわれているようですが、2キロ地点で見つかった子もいることは何度か聞いていました。
3キロ移動することもあるんですね。。
もうすぐ2年たってしまうけれど、仕切り直しです。

黒次さん、もうお外へ行ってはいけない。
ずっとそこにいてね。
2008/08/25 02:20:41

シマクロクマ wrote:
猫ちゃんが大好きで猫ちゃんのために一生懸命
おばあさん ありがとうございます。
本当に嬉しいですね!黒次くんの 優しい猫仲間さんもどうか元気でね! 
2008/08/25 13:23:18

くらぶゆうか wrote:
良かった良かった、本当に良かった。
はじめまして。いつも読ませてもらっています。
この記事が、全てのにゃんずたちを捜している人たちへの、励みになります。
ありがとうございます。
2008/08/25 16:52:26

ちよまる wrote:
よかったですね。ほんとうによかった。諦めないで探し続けることですね。黒次ちゃん元気で長生きしてください。私もサビちゃん諦めません。おばあさんありがとうございました。
2008/08/25 20:32:48

ちゃま坊 wrote:
なんという素敵で明るいお話でしょう。
私が黒長しっぽの介をどうやって見分けるかというと、奴のふてぶてしい態度でした。
黒猫がたくさんいる中で、奴ほどしたたかな猫はまれです。どこかで生きているとかたく信じていました。
みんなさぞかしほっとしたことでしょう。
2008/08/25 22:28:28

leo wrote:
猫と生き別れになって悲しい思いをされている全ての方に読んでいただきたいような話です。
帰ってきたくないから帰ってこないのではなくて、帰る道がわからなくなっちゃったから帰ってこないだけなんですよね。
信じて、捜し続けることがいかに大事かと、胸をうたれ、待ちわびたハッピーエンディングに胸を暖められました。
2008/08/26 12:24:04

mi wrote:
外に出されてしまった病気の人の猫が
かわいそうですね。

えさやってるおばーさんとその二匹の猫たちも
なんか、もっとベターな方向に進展すると
よいですね・・・。
2008/08/27 08:24:22

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