Tue, 27 Dec 2005
ぴんたぱんの号泣
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ピンちゃんにお別れの挨拶がしたいんだけど、まさおくんの猫語はもうふにゃふにゃで通じない。猫の神様が通訳をして下さることになり、ピンちゃんを呼んだ。「へっ、そんなもん聞きたかねぇーや」暴れて逃げ回っていたけど捕まってしまった。背中を丸めて座り、仕方なく耳を立て、上目遣いにまさおくんと神様を交互に見た。みんなも集まってきた。 「きみはもうおじさんだ」 「へ?」 最初のひとことでピンちゃんは驚き、へそを曲げた。僕の夢はもう一度お母さんに会って甘えることだから、永遠に子どもなのだと胸を張った。 「冗談じゃないやい、ぼくは竹薮のピンタパンだぞ、毛虫のティンカーベルだっているぞっ」 みんなガハガハ笑って 「ぴんちゃん、たべすぎで、おなかがぱんぱんだぁ!」声を合わせてひやかした。 神様はまさおくんの言いたかったことを続けた。 「キミは慢性の洟垂らし、涙目、どうみても長生きできそうにない面構えなのに、日頃の行いも良いとは言えないのに、一族の唯一の生き残りだ。いろいろ考えたんだけど、どうやら大切な役目があるらしい。ピンちゃん、キミは河原のピンちゃんだ、河原に光を当てるんだよ、しぶとく生き抜いて生き残っておくれ、長生きするんだよ、ボクは行くからね さようなら」 頭を振りながら聞いていたピンちゃんが、ここまで聞いたらもうたまらなくなって奧の猫ハウスに飛び込み、大きな大きな声で 「あーーまさおくんが死んぢゃったあーー死んじゃったーー」と叫び、 号泣した。 みんなも泣き出してしまった。まさおくんは白いぽわぽわの玉になって浮かんで、つけてもらった羽の具合がとても良いのを確かめてから、ちょっと切なそうにみんなを眺め、神様にお願いして悲しい記憶を消去してもらうことにした。 ボクがここにいた事も、忘れていいんだ。 みんな生きていくのだから、生きていくのはそれだけでも大変なことなのだから、忘れて欲しいんだ。 朝の竹薮は静かで、猫舎の下でごはんを食べる4メンバーのうち、いつもの場所にスタンバイしたのはクニクニだけだった。まさおくんは昨日見たとおり上の真ん中の箱にいて、横にした頭を入口から覗かせて冷たくなっていた。もうまさおくんじゃなくて抜け殻だった。頭にそっと手を置いてお別れし、手を合わせて少し祈った。 テーブルの上に飛び乗ったピンちゃんは、いつも通り食べて、トラちゃんとケイちゃんは奧の餌台で食べ始めた。アミちゃんがなかなか食事にかからずそわそわしていた。それだけ。 オレンジ色の小さな実をぎっしりつけた常緑樹の葉を摘んで、黙って埋葬の準備をした。これから仕事だから、奥歯を噛んで涙は堪えた。 キャンプ場は昨日からテントが張られて人が沢山、そろそろ起き出すころだった。 写真上 ぴんたぱん 写真下 さようならまさおくん ハッチ、新ちゃん、シンクロ、ヨーコママ、マダラ、小夏。 トラピンクニクニケイちゃん。アミちゃん。確認猫数11。 猫缶大7個ごちそう缶2個+現場で追加ごちそう缶2個レトルト2袋。ドライ1kg、猫ミルク500ml。 |
