Tue, 17 May 2005

遠い影丸




小夏は竹藪の奥に住むおじさんの所で「チビ」と呼ばれて可愛がられている。洗い物の籠を持ってキャンプ場を通り抜けて行くと、おじさんの所から飛び出してきた。シッポをピンと立てて、足元を前に横に、絡まるように一緒に歩く。気をつけて歩いていたのに、踏んでしまった。キャッと小さく悲鳴をあげて、ちょっと怒って、それでも変わらぬ足取りで一緒に歩いた。
小夏は美人ではないけれど、そのかわいらしさはどんな人でも虜にしてしまいそうだ。おじさん曰く、発見当時はガリガリに痩せて飢えていて、人なつっこさはその当時からで、とにかく「良く食う」のだそうな。小夏のようなかわいい子を捨てたヒトデナシはロクデナシだ。
今もやせて見えるけれど、しっかり肉が付いて健康そうだ。

洗い物の傍らで、小夏弁当を食べ、美味しい所だけ食べてしまうと、缶の中の残りに頭を突っ込んでいる。缶から直に食べる習慣なのかも。はいはい、と言って、また追加してあげる。
アミちゃんも来たので、別の小皿に盛って食べさせた。アミちゃん、今日はゴロンゴロンしないで引き上げてしまった。
遠くに随分変わった犬を連れた人がいるな、と思ったら、なんと、ポニーだった。小夏が首をあげてあたりを見回しているので、犬の時のように立ち向かっていったらどうしようと心配した。ポニーは車に乗って、こちらへ来ることなく去っていった。
小夏の残した一皿にはドライを追加して、駐車場の一段上、木の根本へ置いていく。黒白の子が待っている。影丸なのか、違う子なのか、まだ確認できない。
影丸はヨーコママの最後の子で、竹薮育ちだ。
一緒に生まれたチャム・クロッケ姉妹は不妊手術後、おうち猫さんに迎えられてあたたかい暮らしをしているのに、一人不遇の河原猫を続けている。捕獲作戦は悉く失敗し、そのまま距離が遠くなるばかり。姿を見るたび申し訳ない気持になる。
駐車場側の藪の中でホームレスのおじさんの猫たちと合流し、別グループを形成しているようだ。ゴミ籠に食べ物を求めてウロウロする、目がくしゃくしゃしたキジ柄の子と、影丸によく似た黒白の子を確認している。最近会わない。

最近。自転車で走っていて突然声をあげて泣きたくなる。
それから、日記に使う写真を探していると、声をあげて泣きたくなる。
クネちゃんが消えた後、しばらくして見えなくなった兄ちゃん。
忽然と消えたちびQ。
・・影丸の写真はこんな風に撮れない。

ヨーコママ、マダラ、ハッチ、白ママ、ミルク、
まさおくん、トラちゃん、アミちゃん洋ちゃん、ピンちゃん、黒長ロボ、ビータン、ビータン2、コキジ、キジオ、コシロ、クニクニ、ケイちゃん、小夏。確認猫数20。
猫缶大5個ごちそう缶2個+現場で追加ごちそう缶大1小3個。ドライ1kg。猫ミルク500ml。


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河原猫の日記



    
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