Fri, 30 Aug 2002

クロの探し泣き




保護生活に余裕が出てきたのか、ただ退屈してか、私たちの暮らしを津々見てまわるようになったスズメ。気が付くと側にいて、かぶりつきで見ている。「おやや、ちゅんちゅん、どうしたの?」とか何とか声をかけ、指を伸ばして鼻をつついてみる。顔を後ろへ引いて堪え、指を噛む。次に、やおら爪を立てて私の手をたぐり寄せ、もっと強く囓ろうとする。この前強引に首根っこを掴もうとしたときの暴れようがスサマジかったので、以後、構うのはこのくらいで止している。止しておかないと、私が痛い。
うちの猫の皆さんへの甘えぶりは大変なものだ。
猛攻に負けてつい舐めちゃった。3人。
完全無視拒否。ひとり。
舐めてもらったスズメは嬉しくて仰け反らんばかり。調子に乗ってにじり寄り、体当たりして叱られて、ゴメンナサイと腹を出す。
この所の彼女が最も「脈あり」と読んで追い回しているのがクロちゃんだ。同郷(河原)の匂いがするのかも。クロの嫌がり方は尋常でない。昨日やっと気が付いた。私がクロに何をしてきたか。

クロちゃんは私を河原へ通わせた子だ。あのキャラに惚れ込んで入れ込んで、遂に家に連れてきた。家の子達の反応は予想以上に厳しかった。先住猫の前で新しい子を構ってはいけないと教わっていたので、クロはみぃちゃんと一緒に狭い保護部屋に捨て置かれる格好になった。仲良く、慣れない暮らしを越えてきた。みぃちゃんのお見合いを、クロは箪笥の上から見ていた。皆、クロを忘れてみぃちゃんを囲んだ。そうして里子に出た夜、クロの探し泣きは可哀想で聞いていられなかった。抱っこしても撫でても落ち着かず、腹の底から絞り出すような声でみぃちゃんを呼び、いた場所を何度も覗いた。
みーしゃのときも仲良しで、よく遊んで面倒を見てくれた。みーしゃもまた、里子に出た。クロちゃんも里親募集ページに載せていたけど、半年の間一件のオファーも問い合わせもなく取り下げた。私はそれで良かった。この子とは共白髪の覚悟でいる。

知らない猫がくると、うちの子達はみなおかしくなる。八つ当たり的に年長の二人が弱い者イジメするパターンで、クロは突然襲われて毟られてしまう。悲鳴をあげて隠れるしかない。河原の時から喧嘩しない子だ。あんなに人なつっこかったクロが、人が来ると逃げるようになった。うちに来て、クロを変えてしまったのだろうか。

スズメが来てクロがイジメられる。仲良しになればまたお別れだ。さぞかしやりきれない事だろう。
うちの子達と河原からの保護猫との「緩衝剤」なんて虫の良いことを言ってはしゃいでいた自分が恥ずかしくなった。甘えられて過剰に怒るのは、それなりの理由があるのだ。次の休み、スズメは河原へ戻す。スズメはすずめ、河原で生きるのが一番かも。

クロちゃんをもっと大事にしてあげたい。

写真は「クロちゃんの背中を枕にしているみーしゃ」
「ソファーで大の字のクロちゃん=クロ駒」

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