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Fri, 02 Apr 2004

花まつり




やな雨がザアザアと
ざんざ降りの夜だった。
雨は朝になってあがった。
まっちゃんはどこからも現れず、寝箱を一つ一つ探した。
鼻水で汚れた毛布の箱、これはきっとお兄ちゃん。
もう一個涎で濡れた毛布の箱。きっとまっちゃんが寝ていた箱だ。原っぱを探し、あちこちの薮を歩き、探したけど、見つからなかった。途方に暮れて竹藪に座っていたら、チーコがなんだかぷりぷりした顔で行ったり来たりした。
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ザアザア雨。でも寒くない。
お口が痛くて何も食べられない、
弱音は吐かない主義だけど、
誰も見ていない真っ暗な夜のこと、
涙がつーーっとこぼれました。
だれかがまっちゃんの濡れた顔をそっと撫で、
まっちゃん、まっちゃん、と呼びます。。
「・・だあれ?私を呼ぶのは・・
まあ、コウちゃん!ナツカシイ!
あなたとはよく松ぼっくりでお手玉して遊んだね、
ドングリ転がしもやったわね、どうしていたの?
なんだかちっとも変わらない、というか、あなたとってもきれいね、ぴかぴか光ってる」
「お星様になったのよ、
ところで、あなたのお顔は一体なぁに?」
「そんなに酷い?仕方ないでしょ、ビョーキなの」
「心配しないで、もう大丈夫、
さぁ、立って、この寝箱を出るのよ、こんな黄色い原っぱで死んじゃ駄目、こんな哀れな有様で死んじゃ駄目」
まっちゃんはすくっと立ち、寝ていた毛布に手を乗せ、「アリガト毛布、アリガトカイロ」小さく言って外へ出ました。
夜が明けて雨も止み、桜の花びらがどこからか強い風に運ばれて飛んできました。良く見ると、風になった猫たちが、星になった猫たちと一緒に花びらに乗って、まっちゃんの周りをぐるぐる回り、ちょっと歩くのもしんどいわ、とぐずぐずしていたまっちゃんをふわりと持ち上げました。まっちゃんは不思議そうにナツカシイ仲間たちを見て、ふふっと笑い、まるでお祭りみたい、と思いました。わっしょいわっしょい!
みんなも笑って、声を上げました。わっしょいわっしょいっ!
人が誰も来ない日だまりの青い草の上に下ろしてもらうと、水の流れる音と、鳥たちのさえずりが聞こえます。
「まっちゃーーん、まっちゃんーん」
どこかでエサが呼ぶ声が聞こえる。
でも今はいけない。
「我々のエサは意気地なしだもんね」、「そうさ、べそっかきだしね。あははは」「あははは」
みんなは横になったまっちゃんの汚れた顔を一回ずつ舐めて、良く頑張ったね、まっちゃん、そうさ、キミはとてもえらかったよ、キミは十分頑張った、え、まだまだ頑張る?それはそれは。
僕らは止めないよ、自分で決めればいいことサ、サヨナラまっちゃん、またね、じゃぁ、またね、てんでにそう言って、消えていきました。
このまま少し眠って、起きて元気だったらまたトコトコ走っていってごはんを食べよう、みんながいて見てくれているから、少しも恐くない、悲しくもない、とても安心、とても静か・・・



河原猫の日記



    
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