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Thu, 23 Oct 2003

カマイタチ




この前大掃除したとき、錆びた鉄製の網が地中から沢山出てきた。竹が、四角い網目の間に突き刺さったまま伸びていて、手で網を折って切るのは大変だった。丈夫な網だ。
黒いビニールもズルズル出てきた。
取り払うために、何本かの竹にノコギリを入れなければならなかった。
河原を少し歩いたら、畑の中で作物を囲うために、竹藪に埋まっていたのと同じ網板が使われていた。黒いビニールは畝を覆っていたものだ。
掘り進んだらもっと凄いものも出てきただろう。
人の手が入らぬまま放置された竹藪は、畑で要らなくなったモノを突っ込んでおく「ゴミ捨て場」だったのだ。不法投棄の粗大ゴミも投げ込まれていた。竹藪に猫の場所を作るとき、テレビまで掘り出した。沢山の人に手伝ってもらって苦労して片づけた。まだまだ埋まっている。

竹に持ち上げられ、歪んで宙に浮いた網は腐食し、所々折れて櫛状になっていて、猫たちが竹の合間を慌てて走れば無事では済まない。
ノコちゃんの目の怪我は《尖った木の枝》ではなくて、実はこれだったのかも知れない。
鎌イタチ?
目に見えぬ風の刃で体が切れる、コワイコワイ昔話を思い出す。

釣りや漁の置きみやげに捨てられた釣り針や網で、流されたゴミで、海の生き物が痛めつけられているのと同じ事が、河原でも起こっているのだと了解した。人間は、より良く生きようと一生懸命だ。健康食品にサプリ、どんなことをしても助かりたいと、病院へも通う。猫には何もない。空の顔色を見ながら何の策略もなく生きるばかりだ。予測のつかない事々にいつも命を脅かされている。ほとんど人間絡みの脅威なのだ。もっともっと、人間を怖がらなくてはいけない。みんなで人間のいない所へ逃げていけたらどんなに良いだろうね。人間のいない所・・無いんだね、これが。

その「コワイ」人間が運ぶごはんで生きている猫たち、人としてとてもすまなく思っているよ。憎まれて当然なのに、こんなに一生懸命待っている。怪我をしたとき何もできなかったノコちゃん、息絶え絶えで兄ちゃんがあえいでいたときも、うろたえて見ているばかりだった。
今朝はノコちゃんの背中を労うように撫でた。
一見「片目のノコちゃん」になったけど、怪我の目は治っていて、見づらそうではあってもちゃんと見えているようだ。兄ちゃんは気が荒れているけど私にはべたべたで、足の間に体を潜らせて離れない。慢性鼻炎でガビガビの洟も拭いた。
一大事の時何にもしてあげられなかったのに、なんとか越えて生きている。こんなに近くなれて感無量。

一体どうやったらみんなを守ってあげられるだろう。



河原猫の日記



    
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