Archives
You are currently viewing archive for February 2003Fri, 28 Feb 2003
ヤドカリ
|
蝶番付き扉のあるサブ猫舎は扉にも奥の壁にも、猫が出入りできる穴が空いている。奥の穴がスコップやスチロールの板で塞がれていて、間違いなく、誰かがここで猫を追いだして寝ているのだと確信した。ねこだすけの小屋で人助けすることになったわけだ。このヤドカリ人間は、私が乱れを不安に思い、怪しみながら猫用に整え直しておいた場所を、また自分用に改竄して、やりっ放しで行ってしまうのがしゃくに障るのだ。はあ・・ 猫たちはどうなのだろう。サビちゃんならあり得ることだけど、他の子達はまさか知らない人に寄りそったりしないだろうから、再三寝場所を取られると、近づけなくなる。 竹藪奥からやってくる子達で、全く人慣れしていないタイプが健在で、いつも必ずいたはずの子達が不明になっている。 保健所の担当の方に、自分の保護活動について説明してきた。 寄せられる苦情のほとんどが、こそこそエサをばらまき、不妊手術せず、片付けもしない、というエサヤリの人によって食いつないでいる猫がらみのもので、残念ながら、私がどんなに頑張っているとしても、私もそういった人たちと同じカテゴリーに括られるのが実際です、といわれた。納得いかなかった。 処分のための施設運営費を単純に割ると、一匹殺すために1万円の税金を使っている事になり、それをほとんどの人が認識もしていない事、保健所も隠しているわけではないのだろうけれど積極的に公表してはいないこと、私にも憲法が適用され、幸福を追求する権利があるのだとしたら、私もまた捨て猫の被害者なのです、捨て猫を見ないで済むように努力して下さい、というと、全くその通りかもしれません、と、言った。ちなみにあなたご自身は猫はお嫌いですか?と聞いたら、好きですと言ってくれた。 写真は、相変わらず家庭内ノラの「スズメ」 |
Thu, 27 Feb 2003
ゴミ拾い
|
ミス河原・丸子・グルちゃんの所に寄ってから、いつも通り河原猫ポイントへ行くと、しずまりかえっている。日差しがあっても風が強かったから寒く、どこか裏側に隠れているのかと畑側から覗いたけどそこに集まっていたわけでもなく、胸騒ぎがそのあたりから始まった。配膳準備を始めたらぽつぽつ出てきたけれど、最終的に21しか○がつかなかった。 いつ頃からか、土手の上に、奇妙な紙の束が角材に刺さっていて、散歩の犬がオシッコをかけていく。新聞やチラシなどの紙の束は、カッターで×に切り込みを入れてあり、この前レーコさんがゴミ袋に詰めて持ち帰ってくれた。またいつのまにか刺さっている。風にあおられて飛んだその新聞紙が原っぱに散乱しており、拾い集めた。ついでに土手を上がって残りの紙を抜き、角材を引き抜いて片づけた。誰が、何のためにそういうことをしているのか全くわからない。土手を下りた所のベンチ、以前私がビニールをかけて猫温室にしてしまった台に、飲食ゴミが散乱していた。コンビニ弁当殻のようすから、少なくとも2人以上だ。煙草の吸い殻、割れたワインの瓶、キッチンハイターの大きなボトル・・。土手上の謎の切り込み入り紙束と、原っぱで拾い集めたゴミと、合わせると結構な量になり、今日は運べないので隅にまとめてきた。 漂白剤の空容器は、このゴミを残した人たちが飲み食いしているところにやってきた猫がかけられはしなかったかと、怖かった。空き缶や、おもちゃのピストルのプラスチックの玉、ゴルフボールなど転がっていると、猫に投げたのかもしれないと想像してしまう。拾いながら、いつもそうした連想に苦しめられる。 そして、いなくなっている猫達に起こったなにかが、最悪のものでないことだけ祈るのだ。 写真は藪沿いに出没する丸子と 土手を後追いしてくるソックス。 |
Wed, 26 Feb 2003
世代交代
|
もう一人のコクニは男の子だ。 たたずまいがとても静かで、じっと見ていると周りの音を感じなくなるような子だ。コクニより幼い印象だけど、一緒に生まれたのだと思う。白ママの子なのだろう。コクニの弟「ミュート」と命名。 ミス河原や丸子と一緒にいる黒白の子は、グルーチョと間違えたから、“グルちゃん”にした。藪の中で、大急ぎでごはんをかっ込んでいた。風邪をひいているようだ。涙目だった。 新しい子にこうやって名前を付けていく一方で、カリカリの箱に体を突っ込んで食事する黒オジ、とか、いても主張しなくなったまさおくんとか、距離を置いて近づかなくなったお兄ちゃんとか、ミミちゃんやゴロリもそうだ、気が付くと、古いメンバーが遠くなっている。ソックスと一緒にいたり、松林で一ちゃんと寝そべっていたりの「まさるさん」も、しげしげと見たら、だいぶくたびれた感じで精彩がなかった。 お兄ちゃんを脅かすのは、なんと「黒長しっぽ」だった。若くて力の漲ったオスが、群れの中の古株たちを押し出していくのだろうか。 キビシイ。 |
Tue, 25 Feb 2003
お届け
|
今日は日記に書きたいことが一杯の日だ。 ゴミ捨て場から救出した子が、新しいお家へ行ってお試し保育に入った。お届けは、一ヶ月近く大事に育ててくれたUさん。 用意して下さった名前は「リンちゃん」。すてきな名前だ。 3匹の先住猫は、どうだろう、一生懸命想像した感触からすると、概ね良好。 ・・どうかあの子をうけいれてくださいますように。 これまでのペース通りに生きて行かれるように準備して下さった、寄りかかり枕やホットカーペットや、そうしたリンちゃんグッズ、細やかなお心づかいに胸が詰まった。なんて暖かいお家へ行けたことだろう。 猫の神様は、あの子のために一肌脱いでくださったのだ。 まだ寒いので、今頃くしゃみしているかも。 感謝を込めて、「ブレス ユゥ」 |
Tue, 25 Feb 2003
僕の羽
|
おっほん えー、ボクが本日も話題になっておりましたノコちゃんであります。 一人で楽しく遊んでいたのに、すっかり邪魔されてしまいました。こうゆーとき一緒に遊ぶには、やはり、チビまゆが最高です。にあんちゃん(ピンちゃんはちょっと不良なので、兄ちゃんとアンちゃんの真ん中を取ります)には迫力で負けますから、ボクのおもちゃはボクだけのおもちゃでは無くなってしまうのです。あとでまた、チビまゆ探しです。ボクの日課ですから。 |
Tue, 25 Feb 2003
羽ピン
|
ちょっと暖かくなると、「おいらの出番だい」 と言わんばかりに、ピンちゃんが光る。 誰がしとめたのか鳥の羽が落ちていて、ノコちゃんが一人で大格闘。原っぱの隅の落ち葉の中で大はしゃぎ。 そこにピンちゃんが入ってきて、大興奮だ。 取ったり取られたりに私も参加して、面白かった。 不明の子達の安否はしれず、 このままになってしまうのだろうかと、 思うとつらい。 |
Mon, 24 Feb 2003
グエーグエッ
|
雨なので、みんな猫舎でひしめき合っていた。 慌てて飛び出した子も、また飛び込んでいく。 横着な子は、多少空腹でも出てこない。チーコがいない。 遠い子は、出かけても来ない。あ、ソックスは来た。 せっかく来たのだから早くして、ほら、こんなに濡れちゃって冷たいじゃないの、にゃぁにゃ足もとで文句を言い続ける。 鼻先に置いたごはんが思ったほどおいしくなかったのか、同じなのに、あっちのトレイ、こっちのトレイをはしごする。結局どれも同じと諦めて、私のそばでもぐもぐやっていた。 少し温めてポットで持参したミルクが好評だった。 22だけ姿を確認。 最後に外から駆け込んできたウシガエルお兄ちゃん。体を濡らすと良くないから、なるべくならここにいてね。 誰かいじめっ子でもいるのかな。 ぐえーぐえっが、長引いている。 |
Sun, 23 Feb 2003
罠
|
この所ずっと一人でいるノコちゃん。チビまゆ失踪の原因を知っているのか知らないのか、寂しげな顔が気になる。もう一人のコクニ、しっかり確認。耳に印がないので、コクニではない。食休みに上手に収まっていた茂みにそっと近づき、脅かさないよう静かにしゃがんで話しかけてみる。口を開けて返事をした、ように思う。声は小さくて聞こえなかった。 素通りしてきた所の猫たちを探しに行った。今日はキャンプ場に青い服の子どもたちが集まり、火をたいて、歌ったり走ったり賑やかで、いつもそこを横切ってくる子達は来られずにいるだろうと思ったからだ。 ほどなくガオ発見。茂みの下、目立たぬところで食べさせ、ミス河原ポイントへゆっくり移動。丸子と黒白の子「グルちゃん」が出てきた。そしてまたガオの所へ戻ると、ソックスに続いて、ミス河原が私を追って走ってきた。大柄のキジ猫「ジエム」も来た。ジエムは、不満そうにアーオン言いながら茂みに入ってしまった。ガオ、ソックス、ミス河原、かしましい3女傑がはち合わせで、唸ったり甘えたり叩き合ったりで落ち着かない。仲裁しながらガオが残したごはんに補充して、なんとか無事にお食事終了。 みんなのエサ場を片づけたあと、もう一度丸子たちの所へ立ち寄ってお別れしてから、以前より気になっていた対岸の猫ポイントまで、6キロほど走っていった。 畑の中に積まれていた堆肥の山に、大きな猫が3匹ほど埋まっていた。暖を取っているのだ。発酵中の堆肥は、外で生きる彼らには「天然カイロ」だ。ニオイに目をつぶれば、温泉に匹敵する暖かさなのだろう。 物騒な「札」は確かに立っていた。 5連式トラバサミ・・・これはちょっとマズイのではないか、それにしても猫たちは堂々畑の中でくつろいでいる。どうしたものかと写真など撮って思いあぐねていると、畑の作業に、二人、男の人の乗った車がやってきた。思い切って年配の方に聞いてみた。 大胆にも農作物をごっそり失敬していく輩がいて、その防止策としての警告札なのだそうだ。猫は・・確かに困ったものだと思いはするが、特にそのためにどうのこうのしているわけではないと苦い顔。罠は無かった。「ところでおたくは役所の人かい?」と聞かれる。 「いいえ、ただの通りがかりの猫好きで。もし本当に罠があるのなら、足が切れてしまったり大けがしたりしますから、心配したのです。でも、安心しました。ありがとうございました。」 |
Sat, 22 Feb 2003
里親さんの出現
|
先月21日にゴミ捨て場から救出した仔猫は、友人宅でその子のために用意して頂いた「特製寄りかかり枕」を抱いてすやすや眠り、お家の他の猫さんと同じようにとことこ階段を上って二階で日向ぼっこし、器の位置を高くしてもらってぱくぱく食事をし、横隔膜欠損(ヘルニア)の持病をかかえながらも、マイペースで、健気にひと月を過ごしてきた。何度か空振りのお問い合わせやお見合いを経て、本日遂に出現した、里親を希望して会いに来て下さった方へ託すことになった。お届けは週が開けてから。 感慨無量。 河原は寒くて、どんよりしていた。 チビまゆ今日も現れず。 サビちゃん不明のまま2週間あまりが過ぎた。 ミス河原のポイントへ空の器を回収に寄ったら、ソックスとマサルさんの怪しいカップルがいて、ソックスは向こうのエサ場でさっき食べていったのに、追いすがってきた。土手を駆け上る勢いで追ってくるので、来てはいけないとなだめながら追加のカリカリを置く。藪からぬっとマサルさんの大きい顔が現れ、私の顔をちらっと見ながら食べ出した。ソックスがマサルさんの食べる様子をじっと見ている。丸子もまた来た。 抜き足差し足で、そんな彼らを残し帰ってきた。 |
Fri, 21 Feb 2003
期待
|
兄ちゃん・クロちゃん・チーコ兄妹のお母さん猫、富士子。長いつき合いになってきた。人間に対してちょっとばかり屈折した感情を持っている。いつもじれていて、いつも甘えたがっていて、それでいて根底に深い不信感を持っている。いきなり身を翻して逃げたりすることもあるのだ。 この子がどうして河原にいるのかは、皆目分からない。 猫缶を開ける音に敏感だったり、膝に乗りたがったり、人に飼われていたとしか思えない猫だ。何かの事情でここへ捨てられたのだろう。律儀に座って私の到着を待っている姿を見ると、いつも胸が熱くなる。帰り際の後追いも、なかなか辛い。 人に慣れた子は心配だ。ずっとそう思っている。 アミちゃんに、人間とはいいモノだ、もっと撫でてもらいたいな、と、思わせたり、期待を持たせたりしては酷なのではないかと、お喋りしながら迷っている。 ごはんの他に私に期待する何ものをも持たない猫たちは、寂しい反面、気持ちが楽だ。 期待・・河原で生きる猫たちが、飼い猫になりたいなどと願ってみたりするだろうか・・ クロボスがいうとおり、食って寝て、他に何がある・・なのかも。 それでも、富士子のように人の家で飼われた経験のある子への思いは止まない。微妙だ。 |
Thu, 20 Feb 2003
2000枚突破
|
日差しのない日はみんな憂鬱そうだ。 冷たい雨で、食べ終わった子達はあっという間に消えていく。 連日一つ一つの寝箱に放り込んでくるカイロ、最初の頃は20枚ずつだったのに、30枚になった。2000枚は突破したかもしれない。猫たちにと差し入れに届けて頂いたものにずいぶん助けられ、この冬はここまで乗り切れた。あともう少し。もう少しで暖かい季節だ。 コクニが連日来ている。表情はまだ硬いけれど、必ず声をかけるようにしている。 チビまゆは一体どうしたのだろう。今日もいなかった。ノコちゃんが早々に寝箱に入っていて、寒い日はチビまゆが一緒に潜り込んでいたのを何度も見ていたので、体を斜めにしてのぞき込んだ。むっとしたノコちゃん、一人だけだった。 カリカリを持参し忘れ、今日は補充無し。残り少なかったので、あとでがっかりする子がいるだろうな。 |
Wed, 19 Feb 2003
空の器
|
3日確認できないチビまゆ、今日で4日姿を見せず。 毎日いた子がこうやって見えないと、とても心配だ。 ノコちゃんが子分なしで、しょんぼりしているみたいに見える。 最初に立ち寄るミス河原のポイントでは、ごはんは、大きな木の下に置いてくる。食べている姿が藪に隠れて見えない。カラスがざわめきだって襲撃の機会を待っている。短時間で頑張らないと横取りされてしまうらしく、器を回収に行くとたいてい空っぽになって土手に転がっている。昨日はミス河原しかいなかったので、多めのごはんを一つだけ置き、あとで回収に行くと空の器の後ろに潜んでいた丸子が切なそうに鳴く。丸子は食べたのか食べられなかったのか、前者を取ってあっさり引き上げ、下を見るとまた鳴かれた。これは食べていないなと思ったら気の毒になって、みんなのエサ場へ引き返した。置きエサのカリカリを一握り貰って戻った。わずかな距離なのに自転車の籠でカリカリが踊り、こぼしてしまう。籠の中で集めているうち、たまらなくなったらしい。じれてヒイと鳴く。顔の前に置くときには、ほとんど「飛びかかってきた」ので、またこぼしてしまった。 やはり食べていなかったのだ。 今朝は昨日と逆で、丸子がいてミス河原がいなかった。 この子たちには、カラスとの競争が激しい場所柄、置いたそのときがワンチャンスになる。食べている間見ていてやれないので どうか頑張って、としか言えない。ごめんね。 |
Tue, 18 Feb 2003
おかえり ガチャ
|
あらかたすることが終わり、サテ、と荷物に手を伸ばす。誰かが見ているような気配で振り返ると、ガチャがいる。 よくよく見ても、ガチャだ。 そろそろ不明者リスト入りかと諦めかけていた所だったから驚いた。胸が一杯で、名前を呼ぶのがやっとだ。何度言ったか、ただ嬉しくて何度も言ってみた。 興味なさそうに首の下などかっかっ掻きながら、そばでサンタが目を光らせており、ガチャはそわそわと落ち着かなかった。サンタはガチャたち新しめの女の子たちがことのほか嫌いで、これまでずいぶん猛攻をかけてきた。今日くらいはそっと再会の喜びをかみしめさせて欲しいのに、よりによってエサ場にサンタが残っている。いつ飛びかかるか気が気でなく、横目でサンタを牽制しながらガチャにごはんを勧めた。あまり食べない。 手を伸ばすと、うーん、触らせてあげても良いよ、あ、でも今はちょっと、うーんやっぱり撫でて欲しいような、うー欲しくないような、 ・・複雑な心境らしく、寄らず離れず煮え切らない。 ガチャはこんなに人に慣れた子だっただろうか。 不妊手術で寒々していたお腹は、新しい柔らかそうな毛で覆われていた。 寒くて陰気な日だったのに、ぱっと気持ちが明るくなった。 歩き出すと富士子が慌てて後追いしてきて、その後にガチャも続く。置いて行かれることに慣れている富士子は背中を撫でるうち顔を洗い始めた。ガチャは更に追ってきた。 自転車を降りてそろそろ歩くとついてくる。止まって振り返ると慌てて藪へ隠れる。また進むと出てきて追ってくる。そんなことを2度ばかり繰り返したあと、後ろ下がりに戻ったら、今度は出てこなかった。ガチャの茂みを少しの間見つめ、あとは一気に走った。 サビちゃんもこんなふうに戻ってくれないかな。 |
Mon, 17 Feb 2003
悪意の伝播
|
ミス河原の待機場所に、堂々と黒白の子がいた。グルーチョとはやはり顔の模様が違うようだ。しんちゃんにしては小さい。ここの子なのだと思った。丸子も積極的にアピールしてきた。ミス河原の姿は確認できず。 マサルさんが昨日と今日と2日続けて来ていた。 猫舎は、誰かがまた覗いていった形跡があって、掛けがねの紐が外されていた。 久しぶりにコキジを確認。二人のコクニがいた。でも、一人で行ったり来たりしていただけかもしれない。アミちゃんとまた少し距離を縮めた。アップの写真が沢山撮れた。甘え気分の時は、鼻の周りがボッと膨らんでおかしな顔になる。それがなんともカワイイ。 ある資産家の婦人が、好奇心から竹藪を覗いていったらしい。 気持ち悪い、汚い、と声を荒げてその感想を周囲に漏らしていたと伝え聞き、傷ついた。まだ寒いためにきれいなほうの季節だから、虫が湧くような季節だったら、その人は卒倒していたかもしれない。 よくよく考えてみれば、普通の人の感覚とはそのようなものだと思い直した。私自身、関わりはじめの当初は、土手を下りても草藪に入れなかった。竹藪など、怖くて中を見に近づくこともできなかった。動物の死骸などもってのほかで、虫さえも恐かった。 時間は人を変える。私は変わったと思う。 今心配なのは、悪意の伝播だ。 変人と笑われるくらいならどうってことないのだけれど、あんな気持ちの悪い所で、あんな汚いモノに近づき、なにかやっているなど、まともな人間のすることでない、とかなんとか、人の口を伝播して、思わぬ風評にやがて苦しめられるのではないか、私が無事でいられなくなったら、猫たちの運命も危うくなる。 個人で、できる範囲で、の猫救援活動には、色々な限界があるのだ。普通の感覚は、いつも念頭においておかなければいけない。無力さを悔しく思った。 |
Sun, 16 Feb 2003
雨の日曜日
|
まっちゃんの目玉は大きくて強烈だった。 まっちゃんのしっぽは短くはない。惜しいことに途中で曲がっていてバランスを乱している。調子の良い日は撫でさせてくれるし、喉だって鳴らして聞かせてくれるし、体当たりだってして見せてくれる。最近なんだか老け込んで、目が奥に引っ込んできた。私に期待させないように、早足に通過する。行ったきりにならないで、何度も前を横を、通過する。何か言いたい内緒の話でもあるのだろうかと不審に思っている。具合が悪いのではないかとも、ちょっと心配している。 今日は冷たい雨がずっと降り続いて、計画していたあれこれを諦め、お昼過ぎに出発。向かい風がこれまた冷たくて、負けないように「うがーっ」と(心の中で)言いながら走る。 姿を見た猫たちの数は少なかった。ミス河原ポイントでスピードを落とし、いないだろうなと思いながら過ぎようとしたら、かすかに呼びかける声。目を凝らすと、藪からヌッと現れた。 駐車場方面から道路へ向かって河原を出かかっていた青年が、その様子を見ていて、人の顔を見分けているんですねと話しかけてきた。私のいつもの現場はあちらだというと、先に行って待っていた。手に一個猫缶を持っている。 せっかく持ってきてくれたのだからいただきますと受け取って、あれこれ野良猫四方山話をしながら、最低限のことだけやってきた。彼の素朴な疑問に答えられただろうか。なぜこんな日に河原に来たのか、聞くのを忘れた。Y青年。怪しい人ではなさそうだ。向こうの方が私を怖がっていたかも。 家に駆け込んだとき、手が凍って赤くなっていた。 |
Sat, 15 Feb 2003
存続か撤去か・・
|
ミス河原のポイントに自転車を止めると、少し離れた藪の中に半分身を沈めて日向ぼっこしていた「ミス河原」が土手を駆け上がってきて、すぐ下の藪には丸子が見えた。ミス河原の足に毛が戻っていて嬉しかった。ごはんを運んでくる人間を見覚えて待っていた様子に、散歩で通りかかった方が驚く。 別分けにしてきたトレイを二つ置いて、しばらく土手の上で立ち話ししていると、食べ終わって嬉しそうにゴロンした、丸子と一緒に来ていた黒白の子の姿を初めて見た。驚いた。顔の模様、首の白いエプロン、白いソックス、死んだものと諦めていたグルーチョにそっくりだった。お母さん猫「まゆちゃん」のガードが堅くてなかなか写真を撮れなかったので、猫舎に隠されていた赤ちゃんの頃のチビまゆ&グルーチョは数枚しかない。家に帰ってしみじみと眺め、なぜ松林に行った(戻った?)丸子と一緒にいるのか、たまたまよく似た子だというだけの事なのか、頭の中を忙しく思いが巡って混乱した。もう一つの可能性は、夏に新参として発見し、あっという間に消えてしまった「しんちゃん」だ。 帰りがけに、松林のはずれで、マサルさんと一ちゃんが寝そべって日に当たるツーショットを見た。向こうのエサ場にごはんがくるのを知っている彼らが、敢えてこちらで暮らす事情について考えてみた。 松林の中にある小屋の主がもしも優しい人で、向こうを捨ててきた彼らを支えてくれているのなら、河原猫の名簿に並べている子がいるからといって、ここまでごはんを運ぶことはない。向こうを捨ててきたのではなく、もともとここの子で、ちょっと出かけて来ていただけかもしれない。 不妊手術はともかく、ごはんに関しては不関与を貫くべきかと。 河原には猫たちが雨風しのぐ物陰がないと思って拵えてきた猫舎だけど、見回せば、いくらでも自分たちで見つけ出す隠れ場所があるようにも思える。猫舎と寝箱は汚れて管理が難しいこと、目立たせて危険に晒すこと、突き詰めていくと、何が猫たちにとって良いのか分からなくなってくる。新しく届いた毛布などを取り替え、今夜の寝箱はとても気持ちよいはず。 存続か撤去か・・重要な問題だ。 |
Fri, 14 Feb 2003
みーしゃの日
|
お別れして今日で一年。 二代目「コクニ」は、悲しいことに遠いまま。 みーしゃとはどうやって仲良しになれたのか、一生懸命考えてみるのですが、いつのまにかで、思い出せないのです。笹の枝で遊んでいるうち、みんなと一緒に走っていた、でしたかしらね。 ママから見放されて寂しかったときだったのでしょうね。コクニは寂しい時期、一番チャンスだったときを一人で越えさせてしまったようです。 みーしゃ、良い子で元気でいますか? お隣の正ちゃんと仲良く遊んでいますか? むかぁしむかぁしのお話を上手に聞けるようになりましたか? 去年はヘソヘルニアで、痛い手術頑張りましたね。 頑張った分、長生きして下さいね。 片目の名前を考えて下さったみなさま、本当にありがとう。 「アイ子」になりました。 どお?と聞いたら、こんな顔でにやっと笑いました。 無愛想なアイちゃんにしては、かなりのほどけ方です。 |
Thu, 13 Feb 2003
哀愁のお兄ちゃん
|
ウシガエルのお兄ちゃんはまだ本調子に戻らず、ズーズーやりながら荒野を行くと、待ち伏せのチビどもが突然前に立ちはだかって挑んでくる。何を挑んでいるのかは、・・分からない。節分の「鬼」役みたいに、これから強ーい男になるんだ!と張り切っている子どもたちのトレーニングで仮想敵に見立てられているらしい。ちらっと見て、迷惑そうに交わしていく。去っていく後ろ姿は妙に冷めていて男の哀愁が漂っている。兄ちゃんもかなり哲学しているから、諸行無常を悟り始めているのかもしれない。 サビちゃんとは物心つき始めたときから「同じ釜の飯」だったから、この所の不在が堪えているのかもしれない。ずっと険しい顔だ。失踪の秘密も知っているのかもしれない。 無口な兄ちゃん、黙して語らず。 あのグエグエッの中に、ひょっとすると、サビ子の消息につながる情報があるのかもしれない。 猫語の勉強が進んでいないので聞き取れない。 ざんねんだ。 |
Wed, 12 Feb 2003
走ってくる子
|
ミミちゃんの見かけの衰えはこのところ著しい。 痩せて毛艶悪く、目の白濁も進んだ。キャンプ場を斜めに小走りで抜けてくる姿を、胸を痛くしながら眺めた。4つの足が交互に地面を整然と打って、軽くなった体を運ぶ。たったったったっ休まず走る。 一日のほとんどを、自分で見つけてそうと決めた“安心な場所”で過ごす。あぁ疲れたと思うときもあるのだろう。そして、立ち上がり地面を蹴って走りだしてみれば、なぁんだまだこんなに元気じゃないかと思い直す。そうやって思い直すために、きっかけを作って走ってみるのだ。 走ってくる子に失望させないよう、みんなが食べ散らかしたトレイを見回った。 もう人間など彼女の眼中にない。自分の命とまっしぐらに向かい合うので忙しい。自分の体と話し合って折り合いをつけ、食べるのだと要求されれば、それに応えようとミミちゃんは走る。竹藪にもうじき突入だ。 今朝はとても寒く、時折、氷の粒が落ちてくる。 日差しもないので、私が河原を出るときは本当に、人っ子一人、猫の子一匹、見えなくなった。昨日剥がれていたシートを角材に打ち付けてきた。いつでも、どこからでも入れて逃げられる猫舎に、風がぴゅうぴゅう入っていくのを見た。ああ・・と思う。どうする事もできない。 縲恂k風の日の正しい過ごし方縲鰀 暖かい寝箱の中で丸くなれ! |
Tue, 11 Feb 2003
片目の名前募集中
|
雨は上がったような上がっていないような・・ 雨装備まではいらない程度で、元気に出発。 みんなの所へ入って行くたびドキドキする。 誰かがまた覗いていった形跡があって、扉を固定するための紐がはずされたままになっていたり、釘を打って止めていた角材が、シートから外れて転がっていたりした。 猫たちは無事だ。それだけで十分だと思った。 台の下でコシロと並んだチーコ、配膳が遅れたら待ちきれなくてついつい出てきてしまった。作戦成功。むんずと掴んで鼻を拭き、薬をつけた。観念してじっとしていたので、頬を撫でた。「ごめんよ、元気になってほしいだけなんだ」 放したとたん「あー失敗した」などと、口の中でブツブツ言ってコシロの所へ逃げ込んだ。食欲はある。混ぜ込んだ薬も一緒に、ワシワシ食べていた。黒長しっぽとアミちゃんが交代で甘えてくる。サビちゃんがいないから、慰めてくれているんだろうか。 コクニは食べたくて来ているにもかかわらず、疑わしげな顔をしてなかなかトレイに近づかない。 出席簿を整理して2月用を更新した。現在確認メンバー全46匹。手術は50終了、21飼い猫になり、なお未手術10・・。ソックスとマサルさんがツーショットで遠くにいた。あの二人は怪しい。みんなの行き交う様子を見ていたら、黒猫で、あれ?という子がいた。また新顔かーと、落ち込みそうになってすぐ気を取り直す。私の出席簿は「とりあえず」なのだ。見なかったことにしておこう。 片目は元気で行ったり来たり。もう両目がきれいになっているので、ちゃんとした名前をつけなくっちゃ。愛想のない顔だと思っていたけど取り消し。口元が笑っている。 名前、募集しまーす。だれかひらめいたら、DM下さい。 |
Mon, 10 Feb 2003
におい
|
有り難いことに、暖かい朝だ。 昨日の日中、遊びに来てくれた友人を案内して、再度河原の現場へ出かけた。猫舎を覗いて「うーんさすがにくさい」と言う。自分は慣れていて麻痺している。凍った朝にはニオイなど感じることもなかったけれど、確かにくさい。そろそろ大掃除して、中の敷物を捨てて、根本的な立て直しが必要かな。くさいのは猫たちのせいではない。毛布を集めなければ。 人工的に拵えた物は汚れていくのに、生きている猫たちはとてもきれいだ。どんな宝石も敵わない瞳。柔らかい毛。ピンと張った立派な髭。 今日は黒長しっぽが甘えモードで、まとわりつかれ、ならば応えてつかわそう、としっかり顔を見ながら撫でてみた。お茶目な子で、私の手を抱え込んでケリに入り、噛みつき(ちゃんと痛くないよう力を加減する)、走り出し、石ころにまで飛びかかってケリケリした。うれしさ余っておかしくなった、という感じだった。 サビちゃんは戻らない。 |
Sun, 09 Feb 2003
ウシガエル
|
朝方まで降った雨もやみ、春色の空が輝いた。 水をたっぷり補給した草は青く、霜をやっつけた土が黒い。 土手を走って、モグラ塚が増えているのに気が付いた。この陽気は続かないはずだから、また穴を掘って潜り込むことになるはず。 モグラの皆さん、まだちょっと出てくるのは早いようですよ。 ミス河原が駆け上がってきた土手を、慌てなくて大丈夫、今朝もキミのごはんはちゃんと用意してきましたからね、と下りていくとき、ぬかるんだ土に足を取られて滑ってしまう。出かかっていた丸子共々、ミス河原も笹藪に逃げ込んだ。手袋にべったり泥が付いた。あー危なかった。 エサ場にソックスが来て、賑やかになる。 おや?ウシガエルが泣いている。音の出所をたどれば、お兄ちゃんだ。 お兄ちゃんはけろっとしているから不調を忘れていた。 出会ってからこれまで、「お母さん」、としか呼んでこなかったけど、今日正式にお母さんの名前が決定した。 富士子。 けっこう美人さんだからね。 お母さんの名付け親になったM氏のサビちゃん捜索は続いたけれど、今日も空しく発見できず。 チーコの洟は接着剤みたいになって、いろんな物をくっつけてしまう。カリカリだったり、笹の葉や枯葉だったり、発泡スチロールの破片だったり。大変だろうなぁという思いとは別に、鼻先にゴミをつけて歩くチーコの真面目な顔に、吹き出しそうになる。 不謹慎でゴメンナサイ。 余計なお世話だと逃げ回るから、そのままになってしまうのだ。 |
Sat, 08 Feb 2003
諦められないサビ子
|
立春を過ぎ、昨日は日中の気温が10度を超えたとか。ぽかぽか陽気だなんていわれても、日の当たらない所は寒くて油断できない。猫舎に異変無し。確認数33。 サビ子は不明、3日目。 周りを歩いて今日も捜索してみた。 もう一人のエサヤリさんに会い、何か異変は?と聞いてみたら、彼女が拵えている猫舎の前に、とんでもない大きな石が置いてあって、バッテリー(そこら辺に捨ててあった投棄ゴミ)とか、重い物が猫の出入り口を塞ぐように置かれて、中は寝箱がひっくり返り、カリカリが散乱し、竹の棒が一本突っ込まれていた、のだそうだ。3日前に、土手の上から、猫がそんなに大事か、何で猫にエサなんかやるんだ、猫はライオンのように大きくなるのか、人を襲うのか、等々大きな声で聞いてきた若い男がいて、石が置かれ、中が荒らされたのはその翌日だとか。彼女曰く、あの男がやったのだろうと。 その場にいたわけではないので事の真偽は計りかねるけど、彼女が返事に窮した質問の数々を聞いただけで頭が痛くなってきた。 「怖い人がやって来たら、絶対中に入れては行けませんよ」 「はーい」 山羊の子達はかんぬき掛けて頑張るけど、 ・・猫だしなぁ。。 「怖い人が来たら、兎にも角にも逃げるのよ」 「はーい」 とも言わない、河原猫たち。 |
Fri, 07 Feb 2003
サビちゃんやーい
|
今朝は猫舎に異変はなく、昨日帰るときに確認した状態のままだった。サビちゃんは不明のままだ。 サビの箱には、どうか無事で戻れと願いを込めて、カイロを2個入れてある。取り替えながら、胸が痛んで、やりきれなかった。サビちゃんの身に、良いことが起きたとは考えにくい。 ここを捨てて旅に出たとも考えられない。 人に全然警戒心を持たないサビちゃんのような子を置いていてはいけないのだと、可愛がってくれていたM氏が言う。早朝仕事前に見に来てくれたそうだ。2日目になるサビの不在を、私より前に確認してくれていた。 ミス河原と丸子のエリアにほど近い松林のあたりに、ソックスがいた。ここにもある畑の向こうを、マサルさんが歩いていた。 強いマサルさんはともかく、ソックスははじき出されたのだと思い、気の毒でならなかった。3日会えず、案じていたソックスが元気でいるのを見て嬉しかった。 26匹確認。4匹はエリアの外で見たから、22匹だ。少ない。サビちゃんの他に、今日はノコちゃんたち若者組とお兄ちゃんにも会えなかった。 |
Thu, 06 Feb 2003
連日の異変
|
今朝も様子がおかしかった。 誰かが猫舎の覆いをめくった形跡があった。寝箱が一つ180度裏返り、出入りできなくなっていた。毛布や積んで置いてあるトレイが乱れているのは、猫たちが慌てて逃げたためだ。他に何か異変はないか、傷ついた子はいないか、懸命に目を凝らした。胸がざわざわした。予備に置いている猫缶やカイロは減っていない。増えてもいない。見当がつかないので、つのるのは不安ばかり。 いったい誰だろう・・ ニヤア・(意訳:早くごはん出せ) ノコちゃんがごはんの催促だなんて珍しいね。座って首をかしげた様子のかわいらしさに、つい手が伸びた。縦に振り下ろしてくる猫パンチの連打を浴びる。 テーブル下大盛り ピン・サンタ・アミちゃん テーブルの上 小皿盛り個別配達 まさおくん・ハッチ・黒長 離れの餌台大盛り小盛り ジエム・洋ちゃん・ヨーコ・ケイちゃん・遅れてクニクニモドキ 猫舎下 キジオ・コシロ・遅れてクニクニ・コクニ・花子・チーコ 猫舎前 ノコ・お母さん・ゴロリ もっと遅れて タビー・兄ちゃん・チビまゆ・コブちゃん・まっちゃん ・・あ・・サビちゃんがいない。昨日まで毎日いたサビ子が、どこからも出てこなかった。 チーコは畑で日に当たっており、コシロが一人で食べていた場所へ後から静かに来て一人で座った。見おろすばかりでなかなか食べない。新しい猫缶を開けてやっても、やっぱり食べない。そのまま日の中へ出て行ってしまった。 荷物をまとめて歩き出すと、お母さんが後追いしてきて、何か言いながら派手にごろんごろんひっくり返る。しゃがんで撫でたら、鼻を鳴らして身悶える。体中砂埃と葉っぱだらけだ。取ってあげても、それが嬉しくてまた転がるから、きりがない。しっぽを立てて、黒長がまっしぐらにやってきて、ウフーン顔で転がった。黒光りしていたしなやかな背中が、土にまみれて白くなった。鼻の先は濡れてぴかぴかに光っていた。 この二人に慰められて立ち上がる。 どうってことないヨ、だって。 向こうの小屋の上では、 ピンちゃんとチビまゆが仲良しでいた。 |
Wed, 05 Feb 2003
手袋奪取
|
猫たちの世話が一通り済んで片付けも終わり、自転車まで行き、もう一度引き返して原っぱを歩いた。歩けば、今日会えなかった誰かをもう一人だけでも確認できるかもしれないと思ったからだ。お母さんが足下でゴロンしたのでしゃがんで顔に手を伸ばしたら、くしゃみで飛ばした洟がべったり付いている。手袋を右だけ外し、拭く物がなかったので、落ちていた葉っぱで取ってやった。くつろいでいるのはみな、エサ場に姿を現して食べていった子ばかり。自転車に引き返し「サア行こう」と思ったら、手袋がない。この前もなくしたばかりで、これだけは無くしてはいけない緑の毛糸の手袋。どこに落としたか、もう一度、歩き直した。・・・無い。これを3回やって、荷物を全部ひっくり返し、考えた。お母さんの鼻を拭いているとき、誰かが私の後ろを走り抜けていった。原っぱを対角線に移動した元気者の、黒長しっぽ! まさかと思いながら原っぱのはずれでのんびりと体を伸ばしている黒の所へ行ったら、「あった!」 黒長はペーパータオルの巻物を抱えて蹴るけど、こういう悪戯もするのかとびっくりしたり呆れたり・・ 「キミはワンコに生まれてくるはずの子だったのかもね」 しげしげと顔を見てしまった。 今日の写真はノコちゃん。 猫ってこんなにウツクシイ。 |
Tue, 04 Feb 2003
消えたジェル
|
猫舎の中に、猫お世話グッズを置いている棚があって、サビちゃんの歯槽膿漏の改善のために獣医さんから入手した液体の薬を置いていた。これがエサ場のミルクの器にあけられていて、青いジェルの跡が残っていた。薬の容器はそのままどこかへ捨てられてしまった。落ちていた薬の「蓋」。猫舎の中に投げ込まれていた薬の「箱」。 猫の仕業で無いことは間違いない。 人間だ。 最近良くないことから少し離れていたので、久しぶりの悪意にとまどった。 こういう事をわざわざしていく人というのは、どんな日常を過ごしているのだろう。 人に慣れて甘えていた子が、また距離を置いて逃げまどうようになると、何かイヤな思いをしたのではないかと心配になる。 野良猫が段々険しい顔になるのは、人に寄りつかなくなるのは、怖い思いをしたからなのだと思う。エサを運んで声をかけてくれるのも人間だけど、石をぶつけてきたり蹴り飛ばしたり毒を撒いたりするのも人間なのだ。悲しいことだ。 |
Mon, 03 Feb 2003
自警団
|
猫舎の中が荒れていた。寝箱が一つ墜落してひっくり返っており、カイロを包んだ毛布が3枚ほど散乱。 何かにびっくりして蹴散らして逃げた? 気の荒い子が来て場所の取り合いになった? 集まった子達を見回せば特に変わりなく、事件ではなさそうだ。 ピンちゃんが意味ありげに私を見て言う。 「隣の木が夜更けに根っこを引きずりながら歩いて来てサ、猫舎の覆いをぴらっとめくっていきなり怒鳴るんだよ。みんなで寝てたらいきなりさ。こーんな大きいやつがだよ。 やい!おまえら野良猫のくせに、なんでカイロなんか抱えて寝てるんだ!ってね。ゆっさゆっさ体を揺らして、おっかなかったよお、そこいらに落ちてる葉っぱ、あいつのだよ」 言うだけいって肩をすくめ、みんなに遅れてごはんにかかった。 こら、嘘つき! 最近サンタとピンちゃんは自警団をやっていて、エサ場を張っている。夜もそうやって怪しいやつはいないかと自主的に歩哨をやっていて、何かに驚いて猫舎に駆け込んだものと思われる。ピンちゃんの駆け込みを、寝ぼけ頭で敵機襲来と勘違いした大型の臆病猫、コシロやキジオが、死にものぐるいで逃げたのではなかろうか。 散乱したものを片づけながら思った。 「きっとそんなところだ」 |
Sun, 02 Feb 2003
もう一人の「コクニ」
|
原っぱを歩いて畑を覗いたら、白いコクニが畝の上に、香箱作ってうずくまっていた。向こうに白ママも見える。同じ方向でこちら向きに座っている。 雲が流れて日差しを遮るとふっと暗くなり、同時にシンと寒くなる。私を見て少し緊張したコクニ。 逃げなくてもいいよ。 もっとよく見ようと足を踏み込んだりしない。顔の見える所でじっと立ち、ただ見合った。薄目をあけてこちらを見ている。 なんて寂しそうな顔だろう。 見てるだけで切なくなる。 せつないよ。 日の当たる小屋の上で、チビまゆとノコちゃんとひとかたまりになった若者組の中に、しばらく見なかったコキジを見た。みんなで集まっていると暖かいのだと思う。コクニは何でここに来ないのかと思いながら通り過ぎた所に、もう一人コクニがいた。逃げかけて振り返って止まった。大きさも同じくらい、頭の柄が少し濃いかもしれない。顔はそっくりだけど、目が険しい。 ・・ああ この前の写真の、険しい顔のコクニはこの子だったか。 (1/13「コクニの試練」) 畑に戻ると、コクニはさっきのままだ。 最初に寄ったミス河原ポイントで、写真を撮った。 お腹が空いているらしく落ち着きが無くて、あまり芳しいショットではない。美人だって宣伝してるのになぁ・・ |
Sat, 01 Feb 2003
遠隔操作
|
羽を持った生きもののすばらしさというのは、たとえば天使などの比ではない。愚鈍な鳩でさえ時にはツバメ以上の滑空をする。隊列を組み直し、また組み直ししながら、前の仲間に遅れまいと闇雲に急ぐのだ。土手を走っていると、よく鳥の群れが刃物のように川を切り空を切りして行くのをみる。あんなふうに切り込んでいけたら、どんなに気持ちの良いことかと思う。 お喋りアミちゃんは甘えん坊だ。 今日はひとしきりお喋りして、ちょっと触れて、その感触が「そばかす」(現在のチュンチュン)と似ていることをまた確かめた。距離を縮めたモノかどうしたモノかと逡巡するときの猫の、何とも言えない愛らしさ。 それから、サビちゃんを膝に乗せた。 お母さんは誰かが撫でてもらっていることに気が付くと、弾丸のように走ってきて文句を言う。ノラをやっていてはいけない子だといつも思う。 そして原っぱのチーコ。 少し離れて、ノコちゃんがいて、コシロがいて、そしてチビまゆがいた。親衛隊は、必ずチーコの姿が見える場所で昼寝する。 その鼻で、その息で、苦しくないわけはないよね。決して絶望してはいけないよ。チーコは立派な猫だから、自棄になるとは思わないけどね。乾いた笹の棒で、鼻についたビニールの切れ端を落としてやる。遠隔操作だよ。驚いた? 私の落としたゴミを見て、またこちらを見た。 耳の後ろをちょこっと、こしょこしょしてみた。 だって、仲良しの時だってあったじゃない? アゴの下も、頭の上も、そうやって触らせてくれた時みたいにそっと撫でてみた。棒だったのが残念だ。 元気出してね。 チーコは返事の代わりに転がって、うねって見せてくれた。 また明日ね。 お向かいの3階に住むSさんが、タオルケットでほかほかにくるんだ猫を見せにやってきた。河原の猫たちにと、何度か娘さんと一緒に猫缶を届けて下さった暖かい人だ。交通事故で瀕死状態だったのを保護し、入院させ、無事退院し、飼うことにしたという。のぞき込んだら、片目の無いチャトラのオスで、胸に抱かれて安心しきった顔をしていた。・・助けてもらってヨカッタね、と思ったとたんに涙ぐんでしまった。 |
