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ダブル
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歯がゆい現実に胸を詰まらせる事は多い。 だからこそ乗り越えたときの至福感は大きいわけで こんなバカな事があるものかと憤り 重なる不運の向こうに こつこつ光を探しにかかるほか無い。 ハッチはダブルキャリアだった。 エイズにも白血病にもとりつかれて よくもまあここまで一人で頑張ってきたものだ。 黄色い上澄みの浮いた血清を見せられて 「黄疸」です。 貧血である。 脱水症状もある。 冷たい水をばしゃばしゃ浴びせられた心持ちがした。 立ち上がってかきむしるほどの痛みを抱えていた口腔内は 難治性の口内炎ではなく 歯の土台が駄目になった状態、歯肉炎らしい。 抜歯したらグンと楽になる。 今の状態ではとてもじゃないけれど抜歯はできない。 黄疸の原因を肝機能腎機能から疑って見ると 数値はさほど悪くないことから おそらく エイズ白血病の末期に起こる「溶血」だろうと言う。 自分で赤血球を壊し始めているためと説明された。 回復の見込みはある。 もうオシマイ、というわけではない。 せっかく保護できたのにここで負けてたまるか、だ。 踏ん張り時なのだ。 栄養のあるものを何とか摂取させ 水分を補給し ゆっくり休ませ、駄目になりかけている体を立ち直す事ができたら、 それなりに生きていけるはずだ。 河原の後、迎えに行って連れて帰り ケージをきれいにして移し 「今日はたいへんだったね、 先生に口をこじ開けられて、シッポをぶんぶんさせて怒っていたそうだね」 とか話しかけて、お湯で絞ったタオルで顔や背中を拭いてやり 薬を入れたa/d、ミルク、普通の缶ごはん、水、ずらっと並べて 好きなように食べさせた。お腹はすいているはずなのに、今ひとつ進まない。 パンチもシャーもないハッチと、じっくり向き合った。 ヘラちゃんの行ったお家から、行き場のない子、外ではとうてい生きていけぬ子を 河原からもう一人引き受けてくださると言っていただいている。 しんちゃんクマちゃんのお父さんからも「こちらへ運んで静養させてはどうか」と電話をもらった。 どちらもほんとうに心強いお申し出だ。 ヘラちゃんはピンを抜く手術を経て、まだまだ大変な状態にあるのを 大事に看ていただいている。 ご厚意に甘える前に、心を開きかけてくれているハッチにきちんと応えたく思う。 これまで何も手助けしてこなかったハッチに できることみんなしてあげようと思う。 花子、ズーズー、トラぴんクロスケ、シロママ、ヨーコママ、ハッチ、ビータン、キジ丸、 ミルク、ブー、とっと。 確認猫数13 |
