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Mon, 12 May 2008

伝説の河原猫

送り出していくどの子も
わたしを河原へ通わせる原動力となっていた猫たちだから
別れが重なって脱力感に襲われている。

二人がぽっかり消えた家では
いつも洋ちゃんが埋まっていた毛布に
チュンチュンがまるくなって寝ている。
洋ちゃんが残したにおいにしがみついている。
一緒にいるのをそう沢山見たわけではないけれど
私が留守で猫だけになっている時間、
あるいは私に隠れてこっそりと
チュンチュンは洋ちゃんアミちゃんとたくさん交感したようだ。

洋ちゃんは、平成6年春河原に捨てられていた青い眼の子猫兄姉の生き残りだ。
当時餌やりしていた人が、そこから一匹だけ連れて帰ったそうだ。
数年前、その猫が病気で亡くなった。
最初にかかったのが平成6年と、病院のカルテに記録されていたため、
洋ちゃんの生年が判明した。
私が河原に通い始めた頃は、ごはんだけのためにやって来る
全く近寄れない猫さんだった。

2001年10月、ケージで捕まえて不妊手術に運ぼうとした時のこと、
家の前で、シーツを換えようとトレイを引き出したところ
その5cmの隙間へ頭を平たくして突撃し、まるで魔法のようにするりと出てしまった。
必死で押し戻そうと頑張ったけれど
牙をむき爪を立て大暴れで、どうにも押さえきれず逃がしてしまった。

チラシを作成しあちらこちらに貼ってもらい、連日探し歩いた。
見つかったとしても、全く自分になついていない猫をどうやって取り戻せるだろうか、
・・ほとんど絶望的だった。
目撃情報はどれも空振りで、むなしく過ぎていく日々。
「そのような猫が外猫用のごはんを食べに来ているようだ」
チラシを見て電話をくれた人の家は、逃がした所からほんの50mの近所だ。
12月の寒い夜、Uさんと懐中電灯で照らしながら名を呼んで探し歩いた。
そして、ゴミ集積所のそばのブロック塀に洋ちゃんを発見したときは鳥肌が立った。

洋ちゃんが逃げ込んだ塀の向こうは潜み場所のたくさんありそうな大きな家で、
たまたまUさんのお友達の嫁ぎ先だった事から、事情を話して協力していただいた。
一週間ほど様子を見、あの手この手で頑張ってついに身柄を確保した。
青い眼をめらめら燃やして怒っていたけど、不妊手術を済ませ、河原へ戻した。
アミちゃんやムスメのチュンチュンとはどんな風に再会しただろう。
当時の洋ちゃんたちはねぐらが不明だったから、知りようがない。

見知らぬ住宅地で2ヶ月ものあいだ、野良猫として過ごした洋ちゃん。
河原へ戻ってから、またごはんを食べに来るようになり、
ここ数年はすっかり甘えん坊の猫さんへと変貌を遂げた。
耳のぼこぼこは、蚊が出始めるとたちまち悪化する。
家に保護しさえすればあんなに酷くはならないと
分かっていても保護できなかった。被毛は柔らかく、気質は穏やか。
もともと外で生きるような子ではなかったのに
あの過酷な環境でよくまあ頑張ってきたものだ。

洋ちゃんのあれこれを思い出すと、、しみじみ感慨深い。
洋ちゃんは伝説の河原猫になった。



ズーズー、ハッチ、シロママ、ヨーコママ、花子、トラぴんコシロ、クロスケ、ブー、ミルク、ビータン、キジ丸、コハチ、ムギちゃん、とっと。
確認猫数16。





河原猫の日記



    
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