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無の境地
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白ママもヨーコママも 不妊手術にこぎ着けるまでとても時間がかかった。 どちらも人間に対して厚い壁を築き、お節介が置いていくごはんを生きていくために食べるだけで、ありがたがることも、すがりついてねだる事もなかった。子どもを産んで育て、別れ、また産んで育て、別れ、運良く病に倒れず生きてきた。どのくらい産んだのか見当もつかぬ。私が関われたのはわずかな仔猫たちだけで、どのくらい死んだのか、生きているのか、全く知りようがない。白ママもヨーコママも、どこで産まれ、どうして河原に来たのか分からない。少なくても6年以上生きている。最近ヨーコママは私に親しみのこもった眼差しを向けてくれる。暇だから構ってあげようという気になったのか、少し、壁が崩れてきたようだ。白ママとの距離はあまり縮まらないが、以前のような険しい姿勢を見せなくなった。もう人間になんの期待もないらしい。菩薩のような柔らかな表情で、じっとひだまりにいるふたり、過去も未来も甘えも迷いも無い「無の境地」にいるようだ。 ママたちのまどろむ姿を見ると、幸せな気持になる。 一方で、ときどき、胸が痛い。 マダラ、ハッチ、白ママ、ヨーコママ、シンクロ、クマちゃん、ミルク、小夏。 トラピン黒長、コシロクニクニロボきじお、洋ちゃんアミちゃんケイちゃんビータン、クロスケ、キジ丸。確認猫数21。 猫缶大6個ごちそう缶2個小2個+現場で追加ごちそう缶1個小6個レトルト2袋。ドライ1kg、猫ミルク500ml。カイロ24枚。 |
