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Wed, 16 Mar 2005

おわかれ




チーコが息絶えていた。

発見のいきさつはこうだ。

カイロ交換で応援に来てくれたM氏が、
メイン猫舎のなかの
チーコの寝箱
時々サンタと一緒に身を寄せていた箱に、
タヌキが居るのを発見した。

それから順にカイロを入れていくうち
外のテーブル下の寝箱に
チーコを見つけた。

連絡を受け駆けつけると、
箱から出した水色の毛布の上で、
静かに横たわっていた。
外傷はなく、
穏やかな様子で
目が黒豆みたいにきらきらして
口が少し開いて
すこし笑った顔だった。
M氏が鼻を拭いてきれいにしてくれて、
竹薮の入口、良く日の当たる
いつもチーコがうずくまって
日向ぼっこしていた所に
埋葬の場所を作ってくれた。
私は歯を食いしばって
草の花を摘んだ。
ホトケノザとヒメオドリコソウを摘んだ。
地道に生きてきた彼女に
これほどよく似合う可憐な花はない。

顔のまわりを草の花で包んで
土をかけた。

コシロは
日向ぼっこの場所を決めるとき
チーコがいる所を起点に円を描いて
その中に決める。
ピンちゃんは走り回るとき
チーコのそばを行きつ戻りつ
星形に走る。
サンタが寝るときは
チーコが選んだ寝箱で決める。

きっとみんな、チーコのいた箱を順番に覗き込んで
これからどうしたらいいのかと訴えたことだろう。
「どうとでも
好きなように
いきておゆき」
そういってふふっと笑ったのではあるまいか。
「私がいなくなっても
何にも変わることは
ないんだよ。

だからしんぱいはいらないよ」

2000年の春、仔猫で発見したチーコ、
フジコおかあさんと、クロちゃん、お兄ちゃんと、
白黒3兄妹で原っぱにいた。

頑張ってきたけど5歳の春、
河原のみんなに囲まれて
静かにきえた。

いつかこの日はくると
思っていた。
昨日の配膳の時
いつものように
というか久しぶりに
鼻拭きで逃げ回りもせず
ひょいひょいとそばにきて、
背中を撫でても嫌がる風でもなく
並べたお皿の上を踏んで歩き
ごはんが盛られるたびにじっと見つめ、
ごちそう缶が乗るのと
ミルクが出るのを待っていた。

私に最後の日まで心配かけず
いつも通りにふるまって
どこにも行かずにいてくれた。
ほんとうに
いいこだった。





河原猫の日記



    
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