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Thu, 08 Apr 2004

自転車


自転車を漕ぐことについて、
印象深い絵が2枚頭の中にある。
ジュディ・ガーランドの「オズの魔法使い」という古い古いミュージカル映画の最初の方のシーンで、いかつい顔のおばさんが黒いスカートをなびかせて飛ばしている。あの人が西の国の魔女になる。それからETを籠に乗せて自転車で逃げる少年たちが、あわや、という所で空を飛ぶ、あの有名なシーンだ。合体させると、河原の土手を走る私になる。そういう気分でいつも走っている。往路は必死、復路はいくらか気持が緩んでいる。自転車で走るのはとても性に合っていて楽しい。そういえば母も自転車で走る人だった。母より一歩踏み出して車の免許も取ったけど、こちらはまったりとなじめなかった。オンボロマニュアル車に3年乗って、あれを廃車にして以来ずっとゴールドのペーパードライバーだ。
自転車では何かと限界があって、車で動く人たちに、いつも助けてもらっている。
いつか本気で河原猫たちを連れて飛ぶ日が来るのだとしたら、
何しろ数が数だし、
紐を付けて一緒に走らす、というわけにも
籠の中、というわけにもいかないだろうから、
その時こそは
猫バス一台動かすくらいの覚悟が必要かも。

昨日土手を下りて住宅地を抜けようとしたとき、
除草剤のキンバリーおじいさんと遭遇した。細い道の真ん中を歩いていくその人の横を抜けようとしたとき、私の方へ避けてきたので危なかった。
私が「あっ」と小さく叫んだのとおじいさんが「ドウモスミマセン」と言ったのと、同時だった。通り過ぎてすぐ振り返った私と目があって、互いに気づいた。おじいさんの顔に浮かんでいた笑顔が、瞬間冷却で凍ったのがはっきりと分かった。いつも怒った顔しか見たことがないので、あんなふうにすまなそうに笑う顔を見て、見てはいけないものを見てしまったような、妙な気持になった。

人の歩く道を走るときは、いつも謙虚にと心がけている。けっして、けたたましくベルを鳴らさない。

写真 サンタとピンちゃんと私の自転車



河原猫の日記



    
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