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Sat, 31 May 2003

どしゃぶり!


昨日の素浪人チャトラはいない。あの雨じゃあ誰だっていられない。ガオの道のわだちに溜まった水で、鴨が遊んでいた。キャンプ場にも草の中にいっぱい湖が出来ていて、そこにも鴨。楽しそうにお尻を振って遊んでいた。洗面台で水浴びしている人のように場違いな感じでおかしかった。
朝、「雨の日はエサヤリしないで大丈夫」情報をFAXしてくれた友人から「行くなよ」と電話があった。
外を見たらまだたいしたことはない。でも、そう言うんなら止めようと思って一眠り。みんなの顔がちらついて、うなされて起きた。で、結局準備して支度して土砂降りの中出かけてしまった。風がなかったから走ってしまえば大丈夫だ。ミス河原達の分はおじさんのテーブルにそっと置いてきた。物陰から上目遣いに一ちゃんが見ていた。「おじさんから後でもらいなさいね」。
猫舎の中はラッシュで、花子も寝箱に陣取っていたし、まさおくん、のこちゃん、ミュート、黒長、チーコ、コシロ、ロボ、きじお、くにくになどの顔が見えた。果敢に飛び出してきたのはピンちゃんミュート。テーブル下でサンタと兄ちゃんと、金目。金ちゃんは雨が不満か空腹か、大きな声で啼いていた。竹藪奥にタビー。他にもいたかもしれないけど、後は確認できず。
猫舎の覆いをめくると裏側に小さな「蛾」がいくつも貼り付いていた。このまえの毛虫たちだね、きっと。
写真は「奥の餌台のクニクニ」

Fri, 30 May 2003

刺客


竹藪の奥から、見たことのないチャトラでごついのが出てきた。
「文句あるか」とジロリと睨んだその面相の悪いこと・・
ひと頃の「クロボス」を彷彿とさせた。顔で判断してはいけない、苦労してさまよっている小心者かもしれないのだ。
まだ配膳中だったので一度奥へ引っ込み、再度出直してきて、体を揺すって奥のセットにかがみ込んだ。しっぽだけ白の入った縞があり、全体的に明るい茶色、耳はコージ君のように小さく、未去勢の雄猫と思われる。寄らば斬るぞの迫力に気圧されて、近づいていく子はいない。食べ始まったら脇目もふらず、ミルクとごはんとカリカリとフルコースで召し上がっていた。奥からひょいっと戻ってきたコシロがそいつの背後に近づいて二嗅ぎほどやって(すごい度胸だ)と感心していたら、間抜けな情けなーい顔になって大慌てで逃げた。かなり出来る奴に違いない。今日限りの一宿一飯か、お騒がせの居候になるのか。

台風が九州四国に迫っている。今夜半より明日にかけて、こちらも大雨になるようだ。国土交通省の人が「増水注意」のビラを配って回っていた。これまで何度も危険な増水はあったけど、竹藪と樹木が守ってくれた。だから大丈夫。
みんな上手に凌いでね。明日朝のエサヤリは無理かもね。
写真は「コシロ」。お茶目な小心者。

Thu, 29 May 2003

まさおくんのお返事




ミス河原ポイントに自転車を止めても誰も出てこなかった。
ちょうど道路向こうで掘削マシンが2台ほど唸っていて、その凄まじい音にかき消され、猫たちの耳に私の到着が届かなかったのだろう。
猫たちの静かな生き方を考えると、人間の社会の騒々しさは桁外れだ。私たちの耳が何も聞き取れなくなっていくのは無理もない。鳥のさえずり、種のはじける音、友達のタメイキ。

みんなのエサ場でひととおりすることが終わってから、まさおくんの捜索に出た。潜んでいそうな茂みに向かって名前を呼ぶ。背後の草むらからきちんとした返事が返ってきて、ぬっと現れ、とことこついてくる。のんびり頭を掻いて体を蹴っているのを、ごはんごはんと促すと、にやあ(わかったよ)と言ってまたトコトコ歩き出す。なんともなしに良い気分になった。風もさわやか日射しも優しい。
今日は猫用ミルクがなかったので、自分用特濃を持参。ちょっと高めの特濃でも猫たちのよりは安い。おなかをおかしくする子がいませんように。
そういえば・・100年も前に、ジョイスもコレットも猫にミルクをあげていた。どうと言うこともあるまいと思い直した。
写真は、草むらから出てきた寝ぼけ顔のまさおくん、まだらにチェックを入れるまさおくん。

Wed, 28 May 2003

自然の摂理?


ミス河原ポイント手前で、草の刈られた河川敷にサム君が転がっていた。黒いから目立つ。ゆっくり自転車を漕いで近づいてきた私を認め、弾丸のように走った。一ちゃんとサム君にごはんを置いて、ミス河原がいないのを残念に思いながらみんなのエサ場へ向かった。ガオを呼びながら道を進むと、後方から黒猫が飛んでくる。すごい勢いだ。黒長しっぽかと思って、「一体どこまで遠出していたの」と聞きかけて、ミス河原と気が付いた。黒長より一回り小さいけど、よく似ていた。松林から私が通るのを見つけて追いかけてきたのだ。スバラシイ走りっぷりだった。ガオ用ごはんをミス河原に。そしてガオは原っぱまで行って待っていたので、自転車を止めた所で配膳。ミルクもサービスした。他のみんなは私と一緒に竹藪へなだれ込んだ。
畑に野菜を取りに来ていた高齢の男性に、ナンでこんな所まで来て猫を「飼って」いるのか理解できないと言われた。迷惑なのら猫は放っておけばどこかに行って死ぬのであって、それが「自然の摂理だ」といい、エサなんかやるから集まって増えるのだ。そんなものは愛護でも何でもないただの迷惑行為だと断定された。繁殖制限の手術を頑張ったと食い下がると、そんなことにお金を使ってどういうつもりだか知らないが、鼻先で嗤い、畑の向こうで仔猫を見たという。これには内心ショックを受けた。・・まだ私の知らない猫がいるのだろうか。ヨーコの子が生きていたのか、エリア替えの小夏か、更に知らない猫の子か。。最後に「増えるいっぽうだ!」と吐き捨てるように言って行ってしまった。
胸がちりちりして、しばらく頭が働かなかった。
写真は、手術に運んだときのミス河原、緊張していてもウツクシイ。

Tue, 27 May 2003

ガオのモミモミ




猫たちを「愛玩」するのでなく「交感」したいと思っている。かねてよりの願いだ。聞き取れるボキャブラリーが少なくて、じっと見合っても何もわからない事の方が多い。空腹のタイミングで私の姿を見る回数が重なると、少なくても石をぶつける人間とは区別して、集まってくれるようになる。河原から連れて帰って新しい飼い主を捜す段階へ行くには、人間に慣れてもらうことが初めの一歩だ。野良を生きていくのに絶対必要な警戒心を奪って危険に晒す事と、救出への足がかりになるのと背中合わせで、この辺でいつも悩んでしまう。今のメンバー40匹中、触らせてもらえる子はほんの数匹。警戒心の強い子達だけが残っているのだ。

ガオを発見してから一年あまりになる。最初の頃は竹藪で唸りまくってみんなに嫌われ、必死で踏ん張った。食べていく手段が他になかったのだろう。ガオは間違いなく捨てられ猫だ。甘えん坊なのは知っていたけど、竹藪では他に甘えん坊がいっぱいいて、ガオが入る余地はなかった。破れビニールハウス群のどこかに見つけたねぐらから通い、食べたら襲われる前に急いで逃げていく。2週間に一度。エサ場で見かける頻度はそんな所だったから、いついなくなっても不思議でなかった。
一人で待ち受けた道で最初にごはんをもらってしまえば、誰にも邪魔されず落ち着いて食べられる。食べてもすぐに逃げなくてイイ。そこで待てば、あとで器を回収に来た私とちょこっとだけ話もできる。このペースができてきたら、ガオの○が並ぶようになった。今日はなんだか様子が変で、また明日ね、と言うと草の中に埋まって諦めるガオが、私の高さの土手の中腹を、とことこ並んでついてくる。根負けして土手に腰を下ろし、また撫でて、膝に乗せてみた。ガオを抱き上げたのは初めてだった。
抱いたとたん胸に顔を埋めて、私の腕を猛然と押し始めた。もみもみだ。驚いた。河原猫で、大人で、抱っこしてこれが出る子は初めてだ。ウィンドブレーカーの腕に爪を出したり引っ込めたりしてカサコソカサコソおいっちにをやっているガオを、なんと言ったらいいか、やるせない気持ちで見ていた。緑の風船の内側で二人きりになったような気持ちだった。家の子でもみんなはやらない。マルちゃんみたいに100回も200回も行くのかなと、思いながらぼんやり数えた。50回を越えた所で、車の音で我に返り、乱暴に私を蹴って下りた。
時々かんしゃくを起こしたように噛みついたり乱暴になったり、逃げたりする。
彼女はずっと、甘えたくても甘える相手のいない、心の安まらない毎日を過ごしていたのだと思った。なかなか私から離れないので、カリカリを少し置き、顔を下に向けて食べている間に自転車を漕ぎだした。痛ましくて振り返ることもできなかった。あんなに人を求めている子を、なんであんな所へ捨てていけたのか、私には判らない。ガオはなんとしても救出する。

Mon, 26 May 2003

ガオの道




何台もの重機と、エンジン草払い機を抱えた人がやってきて、大がかりな河川敷除草工事が猫ポイントにも及んだ。
ガオの道は平らになって、隠れる草が無くなった。
ミス河原達の藪の前もきれいになった。草のない原っぱに、つるりんとした土手。刈られた草がふわっと積もっているので、土手を上って走って遊んでいる。土手の上がまだ残っているので、轟音の機械はまだ数回行ったり来たりするはずだ。鬼の居ぬ間の探検なのだろう。そんな猫たちを見ながら行きかけて、材木置き場の兄ちゃんに話しかけ、後を追ってきた黒長をイイコイイコしていると、土手上から一気に猫を脅しながら駆け下りた男がいた。驚いて振り返ると、猫たちは原っぱ隅の茂みに逃げ込んだ。大きな図体で大人かと思ったら、まだ少年だ。キャンプ場の木の下で行き過ぎるのを見ていると、こんどは石を拾って、ガオに投げつけた。ガオは草の無くなった道で(私が通過するとき撫でてもらえるので)、律儀に座って待っていたのだ。私は気合いを入れて一気に土手を駆け上がり、何で猫に石を投げるの?と、彼の顔をまっすぐに見て言った。猫があなたに何をしたっていうの?何もしていないのにいきなり石をぶつけられたらどんなに恐いか、自分がそうされたらイヤでしょう?

彼はたじろいで「わかった」と言った。特別学級か、精薄児施設の子かもしれない。体は逞しかったけれど、言葉は弱かった。
相手がもしもとんでもない凶悪な人間で、殴られたり酷い目に遭わされたりしたらそれまでのことだ。今日は言わずにはいられなかった。

河川敷の土手はさっぱりした。草花を見て歩く楽しみは終わりだ。
猫は目立って、色々な人の目に止まるだろう。
危険が増した。
写真はガオと、色白になったコキジ姫。
あ、それから、クロスケのピアスが外れて糸だけになっているのを確認した。

Sun, 25 May 2003

場外ホームラン


チビちゃんを送り出したみーしゃのお家では、昨日お別れしてからの様子や、今日のお見合いについて、それはそれはご家族一同同じ思いで気を揉んでいたのだけれど、悩んで話し合ってそして決めたことだから、そういって、ぐっと堪えて電話も控えた。
そしてなにか書いていないかと日記を開いたのだそうだ。いつもは書かない時間、河原の猫の世話を終え、お見合いの結果が出た午後になってすぐ、日記を書いた。残念の思いはあったけど、それほど落胆して書いたわけではない。
チビちゃんのことは3行だけだったけど、「空振り三振」でご家族の思いは揺れた。特にみーしゃのママは心を痛めた。
電話が鳴った。
ブロードウェイのオーディションに果敢に挑戦する卵達と一緒で、みーしゃと合わなかったのも、今回決まらなかったのもチビちゃんに落ち度があったわけではない。たまたま条件があわなかっただけなのだ。
チビ猫は、次のバッターボックスに立つ前に、場外ホームランをかっ飛ばしてしまった。やる気満々でバットを振り回していたら、タクシー飛ばしてミーシャのママが迎えに来たのだ。
次の方へとお預かりしたチビちゃんの「育児日記」も続くことになった。チビちゃんは「住み分け方式」でミーシャと共存の道が開けたそうだ。
チビちゃんのケースを抱えて、貴重品のバッグを置いて行ってしまったママ、再びタクシーで引き返すことに。慌ただしかったけど、カンドーした。愛されて暮らすのが猫には一番だもの。

チビちゃんのナイスショットがスキャンしないとないので、お姉さんのミーシャ代わりに登場。みーしゃの「シャンプー平気だもん」

Sun, 25 May 2003

兄ちゃん、たのむぞ




お母さん富士子の消息は途絶えたまま、むなしく毎日が過ぎていく。チーコの身内は頼りにならないウシガエルお兄ちゃん一人。寅さんみたいにフラフラしていて、しっかり者の妹はそんなお兄ちゃんをどう思っているのか、冷めた目でちらっと見るだけ。このところさっぱり話もしていないようだ。チーコ親衛隊の男の子達が兄ちゃんと一緒に草の中や材木置き場のシート下で遊んでいるところを見ると、兄ちゃんは嫌われ者ではない。
青っ洟は終息したかと思うとまた垂れていて、薄い胸をせわしくさせて息するチーコを見ると、兄ちゃんたのむぞ、と言いたくなる。というわけで、久しぶりにチーコの写真2枚。

出戻りチビちゃん、今日のお見合い空振り三振!
あちゃ
次の打席で「かっとばせーっ、ちぃびぃちゃん」だ。

Sat, 24 May 2003

リンちゃんとチビちゃん




生まれながらに横隔膜(胸腔と腹腔を隔てる膜)が欠損していた子を見つけて抱き上げたのは北風のツメタイ1月のことで、Uさんのお家からお嫁入りしたのが2月末。
あれから3ヶ月。
一回り大きくなって体も細身ながらしっかりしていた。元気な「凛ちゃん」を、ご夫妻で見せに来て下さった。お見合いもお届けもUさんにお願いしていたので、お会いするのは初めてだったけど、初対面の緊張も一瞬のこと、すぐほどけて話が弾んだ。
リンちゃんは黒目がちの目を大きく開いて、Uさん宅の保護チビ猫たちの仔猫パワー全開炸裂にとまどっていた。腕に抱かせて頂く。

どうしよう、どうしようと言いながらマフラーにくるんだときの事が思い出され泣けてきた。あの日死にかけていた子が、こんな風にきらきら生きている。なんてすごいことだろう。

戻ってきたチビ猫は、可愛がって頂いたご家族とお別れした直後なので、しょんぼりしている。怒ってもいる。混乱している。

お別れっていうのは切ないよね。大丈夫、キミはまだ世界の入口に足を引っかけた所だ。みんなで幸せを祈っているよ。こんなにたくさんの人に祈られている子は、そうはいないよ。
だから、元気で前へ踏み出して行ってね。

Fri, 23 May 2003

猫相撲




今日はちょいとばかり天気も良いし、腹ごなしに「猫相撲」。
キャンプ場の草の中にぽっかり丸く土だけになった「土俵」があって、行司のピンちゃんが仕切っている。まさおくんは「誰でもこいや」と待っている。と、気のなさそうな兄ちゃんが土俵に入ってきた。
ちらっと兄ちゃんを見て、まさおくんは目を閉じた。相手に不足か?それとももう始まっているのか?

ハァッケヨイ・・・兄ちゃんだけあおむけにひっくり返って、何も起こらない。根気の良いゴロンの後、兄ちゃんが「おいしょ」と立って土俵を去る。ピンちゃんそこでクビをぐっと前に伸ばして勝ち名乗りを上げる。
残ったまさおくんの勝ち。

みーしゃのお家に行ったチビちゃん、残念ながらみーしゃの不興を買ったまま、ついに心のドアをノックできなかった。
700gになって元気いっぱい帰ってくる。
みーしゃがまた平和に暮らせますように。
チビちゃんは次のお家で出直しだ。まだまだ若い、出直しは全然大丈夫だからね、頑張ろうね。

Thu, 22 May 2003

不信感の重要性


9日に薬ごはんを食べてもらったコージ君、次に草の中で見たのが16日。あの日以来姿を見ない。10日後に薬を飲んだら疥癬をやっつけられるのに・・16日がチャンスだった。少し後悔している。
道の向こうの住宅地でエサヤリしている人に聞いたら、皮膚病の子がいるのだそうだ。エサ場に居住権が得られず、ガオが張っている破れハウス群も居心地も良くないのか、彼はどうやら道を渡ってあちらに出向いたようだ。喧嘩でもしたのだろう、でなければ彼だけに出ている疥癬に説明がつかないのだ。あっちでもこっちでも散々な目にあっているんだね。

通りがかった人や散歩の人が、時折土手の上で立ち止まって、思い思いに見え隠れする猫を見る。中には親猫派もいる。
竹やぶの中へ、原っぱの隅でうずくまっていたチーコやまさおくんやピンちゃんまで、ぞろっと駆け込んできた。ふと土手上を見ればあの除草剤を撒く地主さんとよく似た年格好のおじいさんが座っている。見ただけでは、ただ座っているだけの人が何を思っているかなんて判らない。猫たちが逃げてきたので、良くない人なのだろうと察した。
ここにいるのは猫だけではないぞと、それとなくカメラを持ってまだ見ていない子探しがてら歩いてみた。挨拶はできなかった。靴裏のドロを落とす仕草で足をなんどか打ち付け、行ってしまった。自分たちの姿を人間に見られていると思っただけで、くつろいでいた猫が逃げる。この子達は、毎日私の知らない時間に、どのくらい怖い思いをしているのだろう。
気配を殺して草の中に潜った猫たちを、悲しい気持ちで見回した。私も無防備すぎる言われている。人はみな心を尽くせば通じ合える、とか、まさか酷いことはしないはず、みたいな事を心のどこかで思っていた。楽観的でも性善説論者でもないけど、悪いことを予感する能力が欠落気味なのだ。そんなこと考えたら楽しくないからだ。
人間に不信感を抱くのは、生きていくための、生き延びていくための大切な構えなのだと教わった猫たちに倣って、考え方が変わってきた。
なんて悲しいことだ。

昨年の今頃見失ってしまったコミケ・・
竹やぶの中で思い出したとき、ひとかたまりの風が、強く吹き抜けた。パラパラ落ちてきた枯れた笹の葉が肩や膝に引っかかって止まる。
あの無防備だったかわいい子・・

Wed, 21 May 2003

ハッチとまだら猫




ガオの近くでハッチの姿を見るようになった。古株で長いつき合いになったのに、人間嫌いで、私とうち解けて向かい合ってくれたことがない。用心深く食べていく。写真も少ない。カメラを向けるとすぐ逃げるからだ。食後、原っぱの棒杭で一心不乱に爪研ぎしていたので、珍しく近影が撮れた。しがみついて立ちながら「あっ、しまった!」と言ったのが聞こえた気がする。

新参まだらはいつのまにかみんなとすっかり仲良しで、のこちゃんたち若者組と一緒に原っぱにいる姿を頻繁に見かけるようになった。人間には近づきたくないらしい。
幻のサビチビだったけど、ちょっと進展があって、逃げかけても止まって私の様子を見ていく回数が増えた。サビ色猫のため、写真で彼女の愛らしさを伝えきれないのが残念。チャーミングな子だ。明るくて広い所では、まだ当分近づけそうにない。




Tue, 20 May 2003

お返事




お天気は週末まで良くなりそうにない。
よいかミナのモノ心して待てよ、と、会う猫ごとにはっぱをかけ、せっせと井戸で器を洗う。みんな「あいつは一体なにをしているのだ?」と、私の行ったり来たりを遠巻きに追いかけ、不審そうに見る。20匹。
金ちゃんの啼き声はかすれている。
サンタも時々意表をつくようなか細い声でなく。
まさおくんは口だけ開けて声を出さずに啼く。
アミちゃんの返事は優等生だ。
黒長は行動の大胆さに不似合いなかわいらしさでキューンと啼く。ミュートもよい子のお返事だ。コシロはそばにいるくせに、声をかけるとわざとらしく逃げまどう。返事もしない。

土手の上から、原っぱに草が出始めたのを何の感動もなく眺めた。
力強く吹き出してくる新しい草は、次にまた薬剤を撒かれる日がやってくる事を予測させるばかりで落ち着かなくなる。猫と自分とを違う世界の生き物とはどうしても思えない、区別できる普通の人からするとおかしな人間が勝手なことを言っているだけなのだけれど、私と猫たちとの平和な毎日に加えられた危害が、猫たちのささやかな暮らしを脅かし、表情を暗くする、悪意の自覚のない被害者たちから加えられている危害が、そこに広がる風景の中にあるのを、怒りを堪えながら見わたした。

そして
消えた富士子がいとおしい。

Mon, 19 May 2003

げげ!蝿の卵だ




密かな目標を立てた。書いてしまうと密かではなくなるので、小さい声で言うだけにしよう。
あの河川敷の中の「竹藪を買いたい」

朝から雨だ。だけど出かけた。いつもの通り自転車で、青いレインコートに黒長しっぽ。ではなく黒長靴。

自転車を止める音が聞こえたのだろう。ミス河原が濡れた草の中を縫って、サム君と二人で駆けつけた。
ガオの道にさしかかった所でガチャ発見。昨日ウルウルしたガチャだ。不思議なことに会うときは会うものだと妙な気分になり、それからガオにも出くわした。エサ場の方には大体いつも通りのメンバーが揃ってやってきた。兄ちゃんはキャンプ場木材置き場のシート下で雨を嫌って潜ったまま。呼びにいくと渋々出てきて食べていった。

虫対策に木酢液を撒いてみた。お天気がちょっと良くなると蝿が飛ぶ。縞蚊も出てきた。猫たちのごはんを盛るトレイや水の容器は消毒液と紙タオルだけでは拭ききれず、ギコギコ井戸まで何度も行ったり来たりして洗った。残ったごはんにハエがたかって、見事に卵を産み付けていて、ミルクの粉の固まりみたいにこびりつく。外猫のエサ場をきれいに維持するのは大変。紙の上にカリカリだけ、食べ終わったら片づけておしまい、というのが一番理に適っているのだろう。でも、缶詰かりかり混ぜごはんでやってきたので、そう教えてもらってもなかなか変えられないのだ。そろそろ寝箱の中の敷物も替えなくちゃ。
写真はキャンプ場の「ギコギコ井戸」とお兄ちゃん&サビ子。以前サビちゃんを探していた頃、いつもサビちゃんに見えてはっとした井戸。

Sun, 18 May 2003

ヤレヤレの河原




いられる時間だけと思って長居した河原で、色々な人としばらくぶりのご挨拶もした。出足は悪く、14匹しか確認できず、そのまま帰るのでは心残りがあったからだ。土手下で散歩の方と立ち話していると、父娘連れが土手下の道をやってきた。小学校2,3年生位の女の子が自転車を引いて歩く父親の後を釣り竿の束を持って歩いていて、竹藪の前でくつろいでいた猫たちに気が付いた。「あっ猫だ!」。
猫たちに近寄っていく歩調が急に荒くなり、持っていた竿の束を振り回し、蹴散らしながら、楽しそうに脅かした。チーコもピンちゃんも黒長もミュートも、竹藪へ駆け込んで逃げた。背後から思わず「猫を苛めないで!」と、叫んでしまった。怒りがこみ上げた。なんということか・・だから猫は子供を信用しなくなるのだ。ただそこにいるだけの猫たちが何をしたというのだ。
父親は背中を向けたまま他人事のように先へ行き、女の子はばつが悪そうにこそこそ小走りで父親の後を追った。
ヤレヤレ、マッタクナントイウコトダ・・の河原を後に歩き出すと、前方にガチャ発見。エサ場に引き返し小さなごはんトレイを持って戻ると、自転車の所まで来ていた。手を差し出すとずんずん逃げていく。足下にガオが出てきたので、ガチャを追うのは諦めてガオに追加。ハグハグ頭を斜めにして食べるのを、草の花の写真など撮りながら気長に待った。
不明者リスト入りしたガチャが、復活した。エリアを変えたのだろう。元気に生きている・・それだけで十分だと思った。

Sat, 17 May 2003

暗雲立ちこめる河原




今日も薄暗い一日で、猫たちの表情も冴えない。食べ終わった子達が外でじゃれ合っていても、草の中で顔を洗っていても、ひと頃のように穏やかな気分で眺められない。少し動くと逃げる。じっと足下を窺って、近づく気配があると逃げの構えで緊張する。
のびのび暮らしているのではないのだろう。
良い場所では無くなっているのだろう。
本当にここの空気はずいぶん変わってしまったと思う。
どうしたらよいのか判らないまま、デリバリサービスを黙々と続けている。元気に食べてくれるのだけが支えだ。

昨日一生懸命の後追いが悲しかったガオに、今日は会えなかった。テーブル下で身を隠し配膳を見ていたノコちゃんに、久しぶりのノコパンチを浴びた。結構力強いパンチでびっくりした。
ノコちゃんの目は元に戻らず、白い瞬膜がきれいだった瞳にかぶっている。細い体で飄々とミュート従え闊歩していても、痛ましくてならない。何かしようと手を出せばまた出てこなくなってしまうので、何もしないでただ食べて行くのを見守った。

Fri, 16 May 2003

ピンちゃんの顔が凄い




一週間ぶりにコージ君が出てきて、ガオポイントの草むらに埋まっていた。ガオとコージ君にそこで配膳。

河原で撮った写真を家のパソコンで開いてみて笑ってしまうことがたまにあるけど、今日のピンちゃんは凄かった。編集したサイズでは迫力が半減だけど、パッとしない天気を呪っている顔だ。
何か語ってもらおうかと思ったけど、今日はもう、この顔だけで十分かも。

ガオがいつまでも追ってきた。
とことこ付いてきて、困った。
桑の実が小さな実をつけている。葛の葉が青々と広がり、シロツメクサとアカツメクサが揃って咲き、草の道も、草の藪も百花繚乱だ。道の草は間もなく除草工事でなぎ倒されるだろう。
ひとつひとつ眺めて歩く間、ガオがずっとつかず離れず一緒に歩いてきた。

Thu, 15 May 2003

アメでもデカケ


ある獣医師が、外猫へのエサヤリに関するアンケート調査の結果をふまえて、「雨の日は肩の力を抜いてエサヤリを休んでも大丈夫」と書いている。
野生の猫科の肉食獣の場合、5日くらい食べないでいる事は珍しくない。食べたものを胃の中に長く置ける動物だから、エサヤリに行かなければ猫たちは「雨の日はごはんが来ない=食休み」と了解し、じっとしているだろうとのこと。むむむ、そうなのか・・・。自分を基準にして、おなかが空くのは辛かろうと休まずにいるし、名前なんぞつけて毎日向き合っていると、かれら猫たちをケダモノ扱いできなくなって、そんなことを言われると考えてしまう。うちの猫は雨でも何でも朝夕2回食べている。たった1回で凌いでいる河原猫のその1回を抜くのは気の毒・・

今日は朝から結構降っていて、「では休もうか」と思ったのにも関わらず、いつの間にか缶詰開け始まっていて(習慣というのはオソロシイ)雨具の上下着こんでスタコラ出かけてしまった。

猫舎にわらわらと姿を見せた子20。濡れながらやってきた花子も頑張って食べていった。
マサルさんや兄ちゃんがそれぞれキャンプ場で見つけた物陰で、雨を避けていた。通い組には会えなかった。
富士子が消えて、どうしているかと思うと胸が縮んで、順調だったHP作成作業止まってしまった。
サビ子と富士子、
どんなに大きな存在だったか・・

Wed, 14 May 2003

後ずさり




幼稚園児が、ゴミ捨て場に捨てられていた目クシャの仔猫を見つけて拾ってきた。
昨年の夏、花火の夜にチビ猫を引き取ったことがあったので、お母さんの話を聞いたその知人が、私に頼めるかもしれないと訪ねてきた。
引き受けられないと断った。

状態が良くないのであれば、まず病院で診てもらわねば。費用はいくらかかるだろう。傷ついた動物をうかつに保護できないなと多くの人が後ずさりするのは、この手間と出費を怖れるからだ。
飼うことができないとなると、誰か引き取り手を捜さなければいけない。簡単には見つからない。これもまた後ずさりの要因だ。
仕事をしていない、持ち家もある、条件の良い人々が、みんなで「そこまでする気はない」と後ずさりでは情けない。
猫を可哀想に思って拾ってきてしまった子の保護者には、仔猫保護に関する知識も心構えもなく、望みの綱(私)にも断られた。?保健所へ持ち込むか、?こっそりどこかに捨てて厄介払いするか、どちらも、せっかく子どもが助けた命を見殺しにすることになるだろう。
?警察に行く。つまり犯罪の証拠物件として拾った仔猫を届け、しかるべき捜査をして保護を頼む手もある。警察はそんなことでは動かないと諦めず、門前払いだったら上に話を持っていく。
法治国家だから、法律違反を放置してはならないのだ。
でも、なんだかんだ考えていても実際問題、仔猫はすぐにしてあげなければならないことがいっぱいあって、?拾った人が自腹を切って走るほか無いのだ。
何で?と怒りながらみんなで走るのだ。
問題意識が広まっていけばいいと切実に思う。捨て猫してはいけないし、捨てるような仔猫を生ませてはならないのだ。

捨てる人間は、不妊手術などしない。結果生まれてきた厄介な仔猫を保健所へ連れていく事もせず、そのへんに捨てれば誰かに拾われるかもしれないなどと虫の良いことを考え、そしてこっそり捨てる。いつも歯がみする。こんな悔しい事ってあるだろうか。
保護活動とは、そういった人たちの尻ぬぐいなのだろうか。見てしまったら捨て置けないこちらの思い、ナンダと思っているのだ。随分前、職場の植え込みに捨てられていた5匹の乳幼児、どうにもならずに愛護センターに保護を願い出た。即刻処分になるとは夢にも思わず、連絡した自分を泣いて呪ったことがある。困り果てたときの気持ちは、とてもよくわかる。
小さな命を目の前に置いてそっと触れ、その無垢な命の儚さや切なさを感じ、フツフツと憤って欲しいと思う。
どうか頑張って助けてあげて欲しいと思う。
思うに、お金で買える命はないし、捨てて良い命なんていうのも、あってはならないのだ。

Tue, 13 May 2003

プレイリー河原猫2




またこの季節だ。
姿の見えなかった猫たちが、草の中にいたこといたこと・・
兄ちゃんのそばにノコちゃんとミュート、その下にまだら、コキジ、クロスケ。ひょこっと顔を出して、人間だ!人間だ!と合図しあってワサワサ逃げた。後ろの草の中にはピン&サンタが跳ね、うるさそうにまさおくんが這い出して、黒長しっぽは出たり入ったりしながら私のあとをつけてくる。

河川除草工事の告知札を、国土交通省請負業者が立てていた。

またこの土手も草が無くなるね。良い遊び場所、くつろぎ場所、そして隠れ場所なのにね。

ソックス&丸子、現在マーチとラブ。仲良く元気そうに暮らしている写真が届いた。よかったね。本当に良かった。

Mon, 12 May 2003

待ち伏せ




うらめしや、厚い雲。
もうちょっとなんとか晴れんもんかのお。

などなどぼやきながら河原へ。
一ちゃんとミス河原が土手下の緑のなかにいて、走ってくる私に気が付き、自転車を止めている間にもう足下に。草が濡れていたので、藪を抜けたらすっかり濡れて、体に草の実がいっぱい付いていた。早かったねえ、スゴイスゴイ。
エサ場に行く途中の道でガオが張っていて、通り過ぎる寸前にばっと立ちはだかり、ここでも「おまちどおさまー」。

エサ場の空気はどんよりしていて、甘えん坊がいないので寂しい。コクニがちょっと目クシャになっていた。
今でもなかなか触れないまさおくん。土手の上の方まで行っていて、最後に会えた。このところ会うたび何かしきりに訴える。
今日もふにゃふにゃ言う。私と同じ事でぼやいているのかも。

Sun, 11 May 2003

ウンチ小僧




夕方から雨の予報。重い雲がたれ込めて気持ちも晴れない。行ったのが遅い時間だったので、待ちかねたみんなでエサ場は活況を呈した。確認数30。昨日の魚はテーブル下に2尾残っていただけ。カラスや他の誰かが食べたのかもしれない。穴を掘って埋めてきた。
金ちゃんの左目がだらだらしているので、昨日から抗生剤を飲ませている。おととい土手の草の中で伏せっていたコージ君には、疥癬治療の薬入りごはんを少量届けた。きれいになくなっていたので、また10日したら飲ませるつもりだ。あれ以来会っていないので、毎日投与が必要な薬でなくてヨカッタ。どうしているのか、出てこない。
片づけ終わっても立ち去りがたく、自転車のところに座って本を開いた。鳥のさえずりが聞こえる。カサッという音で顔を上げると、ミュートが私を見ていた。ジグザグに周囲をうろついて、やおら力んでウンチをして、振り返ってそれをしげしげと眺め、ニオイを嗅ぎ、私の方を上目遣いに見てから、周りの土を猛然と集め出した。
ボクは偉い猫なので、やりっ放しなんてしませんからネ。
細い手で掻いている土が硬くて、なかなか埋まらない。じれたように「キュー」と啼き、志半ばで断念し、私の正面の隅っこ、ノコちゃんが箱座りしている所へ向かって一直線に走っていった。うまくいかなかった「砂かけ」の報告でもするのだろうか。それともそんなことはおくびにも出さず、「ノコ兄ちゃん良いお天気ですねぇ」とかいって、「この空でどこが良いお天気だっていうんだよっ、あ、おまえ、今してきたな」「えへへ、わかりますかー?」などとやっているのかも。

花子は2001年1月に手術の済んでいる古株で、人付き合いの良くない子だ。昨日、3/30日以来久々に大感動で確認し、今日も見つけた。エサ場ではなく、松林に隣接する畑の中だ。皆勤組にいた花子が、こんな所へエリア替えしていた。名前を呼んだらぎょっとして凍った後、一目散に松林へ駆け込んだ。松林と背中合わせに竹やぶがあり、あの藪の中で居を構えている人が沢山いるようだから、どこかいられる場所を開拓したのならそれはそれで喜ばしいことだと思った。

Sat, 10 May 2003

収穫




不明の子達をようやく裏面のリストに並べ替えて、総勢38になった新しい出席簿を持って河原へ出かけた。富士子たちの捜索写真も持った。
不明猫写真をどうやって猫舎に掛けていこうか、下を向いて夢中で作業していたら、・・・!アイ子が来ていた。ひどく用心深くて、はっと顔を上げた私と目があったとたん逃げて行った。小夏の姿も、キャンプ場の向こうの物置小屋あたりで見た。呼んだらささっと隠れてしまったけど、間違いなく小夏だった。なんという事だ。やっとあきらめがついたと思ったら出てきた。うれしさのあまり、力が抜けてしまう。花子まで確認できて、33。5月の出席簿、帰ったら作り直しだ。富士子が消えて9日、今日も会えず。

午後遅くまで4時間ほどいただろうか。途中Uさんが来てくれたのに励まされて、チーコの保護を思い立つ。思い立ち方が急だったため、準備不足で失敗した。手厳しいひっかき傷両手に5カ所。最近警戒を緩めていたチーコ、今日はうっかり首根っこを捕まれて洟を拭かれ、抗生剤を飲まされた挙げ句、ケージに押し込まれる所だったのを死にものぐるいで逃れた。遠くまで走って逃げはせず、近場から私のことを恨めしげに、不信感に充ち満ちた顔でじっと見た。これでまた当分嫌われるだろう。情けなや。

原っぱに下りてきて、何やら猫の食器に入れていく人あり。
声をかけたら、なんと、大漁の収穫に困った釣り人で、新鮮な鰺をずっしり下げて「猫に配りに来た」のだそうだ。「人間だって食べられます。ついさっきまで跳ねていたものだからどうぞ」と袋ごと渡され、いえ、そんなには食べられないので・・結局2尾だけ持ち帰ることになった。残りの魚をあちこちの容器に配って歩く。なにしろ30cm近い鮮魚、それがあっちこっちに山と盛られて、猫たちもさぞかし驚くことだろう。明日の朝どうなっているか楽しみだ。残っていたら、穴を掘って埋めなければ。
家に帰って焼いて、うちの猫たちと分け合っていただいた。

そうだ!あそこの猫たちに・・そう思ってわざわざやってくる人というのは、今日たまたま会ったあの人だけではないのだろう。

本日の写真は、不明リスト入り初日に復活した、花子と小夏。

Fri, 09 May 2003

ピンちゃん一人語り


ぼくらは24時間ここにいる。
こんな恐い所に24時間いられる人間はいない。
だからぼくらはエライんだ。
べつにほめてもらわなくてもいいよ。
じぶんで言っているだけなんだからね。
アメの日もカゼの日も、いる。
川から吹いてくるカゼで立っていられないときは、
竹藪を出てハタケにいく。
カゼが来ないのはそこだけだからね。
ちょうどお日様が昇ってくるのをそこで見る。
お日様を見てるだけだ。
けしからんと怒られる。
暗い夜にざわざわ木が揺れても、
川の水がゴーゴーうなっても、
雷や花火にどやされて飛び上がってしまっても、
そうなんだ、
僕らはここにいる。
おっかなくても、他に行く所はない。
知らない所はもっとおっかないからだ。
コワイ人に蹴散らされても、他に行く所はない。
コワイ人も僕らがこらえられるコワイ夜にはいなくなる。
胸をバクバクさせながら
静かになるまで草の中で隠れていて、
そうしてまたここにいる。
どうしてそれがいけないのかは、
どんなに説明されたって判らない。

目を細くして、
地面につきそうなくらいまで首をかしげる

Thu, 08 May 2003

絶句のチビ猫たち




ノコちゃんがいたので、なんだかとてもほっとした。
風があって曇り空、一雨来そうな暗い空。
雨が降る前に食べて帰りたいのか、ヨーコママがこれまた久しぶりに、積極的にごはん待ちしていた。お兄ちゃんもミルクもコクニもハッチもタビーも来た。
犬を連れて畑作業にやってきて放しているおばさん他、申し合わせたように次々畑を借りている人たちが来た。帽子を取って挨拶し、行方不明の猫がたくさんいるので、畑のなかで行き倒れていたりした子を見なかったかどうか、思い切って尋ねてみた。
さあ、私たちは一切関知していませんからと、対応はツメタイ。
こういう場合、食い下がっていくと「そんなに心配なら家に連れて帰ればいいでしょう」とかなんとか言われるのが関の山なので、既に背中を向けられていたことでもあったので、黙って自転車に向かった。本当に守ってあげたかったら、連れて帰らなければいけないのだろう。それができなかったのだから仕方がない。シカタナイ・・見失ってしまった子達を思い、切なくて、自転車を漕ぎながらぼろぼろ泣いてしまった。

夜、この前引き受けた二匹の仔猫を連れてMさんが来て下さった。180gのチビ猫「ぎょうざ」と一緒だった。まだ離乳に至らない。目もくしゃくしゃしている。
あまりのかわいらしさに絶句した。

Wed, 07 May 2003

ハリエンジュ


朝エサ場にいたメンバーは11匹だった。
ミス河原ポイントの3匹を足しても14・・・
昨日のごはんの売れ残りが、虫の棲家になっていた。
消毒スプレーやウェットティッシュでは間に合わない。ギコギコ井戸まで行って食器を洗った。
奥の方で誰かの叫び声が上がる。しばらくして不機嫌そうな顔のマサルさんが現れ、テーブル下の空き待ちをしていた。彼とソリの合わない子は誰だろう。

昨日書いた木は「ハリエンジュ」というそうだ。以前の職場に、植え込み内で切り倒された残りの株から、次々と棘だらけの枝を出して嫌われていた木があった。「ニセアカシア」という胡散臭い名前だった。親木が倒され、出てくる子枝は次々切られる。無念さを感じたりしたものだ。土手のハリエンジュがニセアカシアなのだと聞いてはっとした。
何もしないで放っておけば、こんなに見事に花をまとうのか。

Tue, 06 May 2003

天国の匂い


河原の土手下に、冬の間は何の変哲もない、取り立ててどうということもなかった木々が並んでいる所があって、そこで白い花が香っているという噂を聞いたので走ってみた。本当にその一区画、天国のように柔らかく優しく、花の匂いが流れていた。
前方を金色の髪の女性が歩いていく。夜から早朝までお弁当屋さんで仕込み仕事をしている働き者のブラジル人クリスだ。ダイエットだと言って元気に走っている。なんて偉いんだろう。河原猫のポイントで猫たちを眺め、配膳後、消えた富士子の捜索にも付き合ってくれた。毎日呼んでもいない。二人で呼んでもやっぱりどこからも出てこなかった。5月のチェックシートはこれからプリントする。小夏、ガチャ(今日の写真)、ジエム、アイ子、コブちゃん、花子・・6匹も不明者リスト入りだ。富士子はまだ諦められない。一ヶ月も富士子の欄の空白を見ることに、耐えられるだろうか。

Mon, 05 May 2003

猫見キャンプ


不明猫たちの心配が続く今日この頃。
ふと言い出したレーコさんの提案に、胸が躍った。
キャンプしよう。
一度だけ、リリースで夜の河原へ来たことはあるけど、
ちゃんとしかるべき装備をして、しかるべきキャンプ体制を取って、もちろんキャンプ場に許可を取って、みんなで夜の猫たちがどうしているのか観察しようというのだ。
そういえば、うちにもらい物のテントがあるはず。レンタルという手もある。うちの子達には一晩我慢してもらう。
虫の対策や食べ物の用意もして、河原で夜を体験してみる。
考えたこともなかったので、なんだかわくわくする。
参加してみたいと思う人いるかな。

Mon, 05 May 2003

午後の河原猫たち




黒長しっぽは、まさおくんに対する嫌がらせ行為を楽しんでいる。かつて新参の女の子達をいじめたまさおくんが、いじめられっ子になるとは不思議だ。まさおくんには徹底的に嫌われて苦労したガオが、珍しく甘えモードでやってきた。外の日陰までごはんを持って出て、食べるのを見守る。この子はどこで寝起きしているのやら。肉付きも毛並みも良くて、やつれた感じがない。結構落ち着いて暮らしているんだね。仲間や人を避けた単独行動が、この子の日々の安全を保証してくれているのかもしれない。背中を撫でてみたりした。周りをうろついてプレッシャーをかける黒長が視界にはいると、そわそわしてうなり出す。

ピンちゃんとサンタ。くにくに、金ちゃん、キジオ、ケイちゃん、マサルさん、キジ丸、クニクニモドキ、ぽつりぽつり現れては食べて去っていく。しばらくしてから気がついて、掛けがねの紐が外れていたサブ猫舎の扉を引いて中を覗いてみた。異変なし。
いつの間にか黒長しっぽが寝箱に入って一人で寝ていて、目があったら「ひーん」と甘えたように啼いて外へ出てきた。黒長を転がして遊びながら、原っぱに点在するチーコ、コシロ、まさおくん、そして、エサ場を去っていく兄ちゃんを見る。遠くに、タビーやビータンも見つけた。
ミュート・コクニ・ノコちゃんに会えず。富士子もいない。
最後の方で確認できたのは、コージ君、そして、ヨーコママ。最初のポイントで会ったミス河原と一ちゃんを入れて、今日会ったメンバーは21。
写真は河川敷の花と、富士子の愚息、現在私の愛息「クロちゃん」。お母さんの一大事だというのに、伸びている。

Sun, 04 May 2003

富士子不明3日目




その忽然さも、あっけなさも、何もかもサビちゃんの時と一緒だ。いつも当たり前にあった富士子の気配が、ふっつりと消え、あれこれの想像に胸を締め付けられる。何も判らないので、想像で苦しむ。悲しいのは、富士子の不幸を想像するからだ。

隣のキャンプ場には野球の子供達と親たちの集団があふれ、にぎやかな昼食になっていた。ビールを飲んだ大人達の声がひときわ盛り上がってきて、トイレに行きたくなった人が竹藪にむかってオシッコをしに来た。猫たちが日向ぼっこでうずくまる場所だ。私に気づかず、延々としていた。
老齢のカップルが自転車で通りかかり、土手の上に奥さんを待たせてご主人の方が勢いよく下りてきた。猫たちがよく潜っている草むらにも乱暴に分け入って目当ての竹を切り、また場所を変えて10本ばかり切り倒し、余分な箇所をナイフで削いでいた。急いでいるのは、誰かにとがめ立てされる心配をしているからだろう。そして、束にして自転車にくくりつけ、行ってしまった。
隣の騒ぎは、大人の盛り上がりと、ばらけて遊び始めた子供の歓声とで更に大きくなる。粘ってもやっと15匹にしか会えず、しかたなしに荷物を持って立ち上がった。猫の気持ちになって人間を見回せば、うんざりする事ばかりだ。ひどいものだと思った。
落ち着き無く食べに来てそそくさと逃げていく猫たちに同情し、何もできない事をすまなく思った。

Sat, 03 May 2003

毛虫のダンス


富士子が今日もいない。これはただごとではないように思われ、おかあさーんおかあさーんと呼んで探し回った。どこからも出てこない。それで、竹藪に戻って子供みたいにしくしく泣いてしまった。

つーっつーっと緑の小さい毛虫が糸を引いてぶら下がってきて、体をくねらせ、踊っている。かゆくてむずがっているようでもある。カイカイ・・あ・・カイカイ・・ココココ・・ソコソコ・・葉陰を通って差し込んでくる光が、スポットライトみたいに当たった所のは、得意そうにいっそう激しく踊る。
慰められて見とれてしまった。
かわいいもんだな、なんて感心してもいられない。アレに触ったらどんなに大変か、荷物を抱えて竹藪を出た。
土手を上がって原っぱを見下ろす場所に陣取り、図書館から借りているジョイスを読んだ。面白い本だと下を向きっぱなしになるけど、難解で、時々深呼吸しないと進めないので、猫の出現を待つにはちょうど良かった。近寄ると逃げるのに、ピンちゃんとまさおくんが土手を見上げてからゆっくり上がってきて、近くの草の中に埋まった。時々鼻をすする音が聞こえる。チーコもいた。
マダラが目をくるくるさせて土手を見上げた。サビちゃんがこうやって見上げていたのに気が付いて、まさにここで自転車を止めた。3年たったか・・。2時間ほど座って背中が暑くなり、富士子の姿確認できず引き上げてきた。

Fri, 02 May 2003

ちくわとチーズ




猫舎の覆いをまた誰かがめくっていった。
動かないように押さえている大きな石が転がっていて、掛けがねから紐が外されたままになっているから判る。心配だ。乱暴にめくっていくのか、大きな声で脅していくのか、中はかき回されていないけど、いずれにしても猫たちがびっくりすることは間違いない。
そして、今日の集まりの悪かったこと。
富士子がいなかったので、探しに出た。心配のあまり呼ぶ声がだんだん大きくなった。ぐるり回って発見できず。低木の下の茂みにいたまさおくんが顔を上げて返事をし、富士子が見つからなくてがっくりしていた私の後を付いてきた。せっかくやってきたまさおくんを、食後の黒長しっぽが腹ごなしに迎え撃つ構え。「コラッ」と叱って押さえ、まさおくんに見えるように彼のごはんを用意した。
それから、また散らかっていたちくわとチーズをビニール袋に拾い集め、皿に盛らず、持ち帰りゴミにもせず、メモを入れて置いてきた。
それでもまだ撒かれるとしたら、猫がそれを望んでいると思う気持ちを変えられないのだと諦め、また拾うしかない。

今日の写真は不調のコージ君。不明の富士子。

Thu, 01 May 2003

皮膚のトラブル




平凡な白猫のまさおくんも、雨シャンプーで洗われて、お日様ドライヤーでほわほわになった時というのはこんなにきれいだ。冬の間や春先は、静電気で埃がまとわりついて汚れてしまう。猫たちが緑の中でウツクシク見える季節になってきた。

生まれたとたん捨てられたうちの三毛猫マルは、お母さん猫からもらうべきもの(病気に対する抵抗力)をもらえなかったので、健康状態が安定するまで病院通いで苦労した。今では屈強なヒヨシも、お母さん猫から離すのが少しばかり早すぎたようで、マルちゃんと一緒に黴菌に取りつかれて毛が抜け、完治するまで何ヶ月もかかった。せっかくお母さん猫がいたのに、私が無知だったばっかりに、早まって8週でもらい受けてしまった。
毛が抜けてしまった猫というのは見るも無惨。
本当に可哀想だった。

冬の間皮下脂肪と分厚いアンダーコート(下毛)で寒さから防御していた河原の猫たちが、随分すっきりしてきた。おデブのコシロも夏の頃の美貌を取り戻しつつあって、角度によってはかなりカッコ良く見えるからあなどれない。毛並みがひどく悪くなっているキジミミは体調不振で仕方ないとして、元気でなければいけない「コージ君」や「金目」が、あちこち毛が抜け、地肌が見えている。ひっかき傷の周りだけなら「大丈夫、じきに戻る」と楽観できるけど、皮膚病や寄生虫や手強いカビ菌だったら、家の子のように通院したり塗り薬を続けたりできないから、完治までの見通しが遠くなる。
季節が美しくなっていくのに、こういったトラブルに見舞われた猫たちは気の毒だ。外で暮らす猫たちがきれいでいられる時期は短い。苦労が多いということか。



河原猫の日記



    
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