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Wed, 10 Mar 2004

冒険




生涯一つの村から一歩も出ずに過ごした人・・ちょっと昔にはいくらでもいた。世界を飛び回って仕事する人などはまだまだほんの一握りで、今でも、パスポートを取得して飛行機に乗って外国へ行くなんて(増えたけど)考えられないという手合いはいくらでもいる。
いろいろな人間関係や、モノへの執着で身動きならない人もある。私は本来動きたがらない性分だ。散々動いて「もういいや」になった。人は、基本的には慣れ親しんだ環境から動きたがらないのだと思う。冒険する人は特別なのだ。英雄になる。動けずにいる人たちの中から外へ出かけていって、なにがしかを持ち帰る。だから英雄だ。

猫には、戸籍も住民登録も財産もない。
地面(土地)を所有することもない。
家具もない。親子関係だって、ある一時期を除いて、ほとんど無いに等しく、つまり何事にも縛られていないのだ。フワフワの毛皮に包まれた身一つで生きる。毎日のごはんに若干の執着はあっても、居心地の良い仲間たちと寒い日に身を寄せて温め合う事はあっても、ある日突然姿をくらます者があることを考えると、流れていった先で考えればよいこと、どうとでもなるように思っているのではないかしら、なんて、考えてしまった。ムラムラッときたらそのままズンズン行ってしまうのだ。行ってしまったら、もう帰らない。帰れなくなる。
ひと頃、40どころか50に届く勢いで個体確認していた河原で、21しか見あたらなかった今日など、半減しているではないか、この半減の意味するモノはナンジャラホイ・・考えてしまった。去年の同じ時期も、消えた子達が沢山でオロオロしていた。ここは猫たちが安穏と暮らせる場所ではない。場所替えしようと思い立つ子がいたって不思議ではない。チーコ&兄ちゃん兄妹やサンタ&ピンちゃん兄弟など、ここで産まれてここから動かない常駐メンバーは、人間で言うところの「動きたがらない」手合いなのだろう。トラちゃんはふらっと来た。どこから来たのか誰も知らない。コージ君もふらっと来た。誰も素性を知らない。そしてまた消えた。
先日手術に運ばれた洋ちゃんモドキ、ふらっと来てオソロシイ事になって、戻ったとたんにどこかへスタコラ・・消えた。

だれかが私のように「あら、この子新参だわ」「どこから来たの?」「遠慮は要らないから沢山お食べ」と、消えた子達と出会っているに違いない。
虹の橋のたもとでみんなと再会したら、根ほり葉ほり聞いてやろう。今から楽しみだ。
どんな冒険してきたの?って。
写真上 昨年春消えた「ジエム」
写真下 コージ君 復活してまた・・消えた。



河原猫の日記



    
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