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Wed, 08 Oct 2003

プシューのガチャ




あ・・
蜂の巣が無い。

その場所を正当な権利をもって利用する人が見つけて、拾い集めたゴミと一緒に捨てたのだろう。火を焚いたあとがあるので、そこにくべられて燃されてしまったのかもしれない。土手一帯広範に草刈り工事が入ったので、土手下の道を作業した人が、危ないと思って捨てたのかもしれない。

もし猫たちが蜂に刺されて酷い目に遭っていたら、私もそうしたかな?
子どもをそこで遊ばせる親だったら、刺される前にと思ってそうしたかな?
そういう危惧より先に、蜂たちの巣作りの一生懸命さに感心していたので、どちらかというと、気の毒でならなかった。

38確認した食欲旺盛な猫たちの中に、コクニは今日もいなかった。井戸で洗い物をしていると、心配していたガチャが空腹を訴えながらやってきた。洗い物を途中で投げ出して、ガチャを小脇に抱えて竹藪へ戻り、新しい缶をあけてやり、そばに座って食事を守った。缶を開ける音で、よりによって集まったのがサンピン黒長、意地悪たちだ。金ちゃんもにじり寄って、ガチャの口元まで手を伸ばしていたけど、ガチャには脅威でないらしい。鼻を鳴らして無視された。食べ終わってちょっと目を離したら、もうピンちゃんが飛びかかってきて、あっという間に竹藪から追い払われてしまった。
ヤレヤレ・なすすべナシだ・・
洗い物の続きをしていると、ガチャが戻ってそばにいる。足の間で8の字を書いて一緒に歩き、離れない。小夏も来た。手を伸ばして小夏に挨拶したら、ガチャに唸られ、小夏は、さらっと向きを変えて振り返りもせずに行ってしまった。
軽くなった荷物を自転車の籠に入れ、さあ、と思ったら、こんどは自転車から離れない。甘えん坊のエネルギーメラメラ燃やして収まらない。黒長しっぽが見に来て見張っている。私ではない何かほかの「良いこと」に、ガチャの気持が逸れてくれたらいいと思いながらしばらく座って待ち、風の冷たさに我慢できなくなって立ち上がった。「あ、まって!いかないで!」
ちょっとだけ後追いして、すぐにうずくまった。だんだん小さくなるガチャの姿。半分草の中にうまった体から持ち上がった顔には、これが最後のさようならだとでも言いそうな、淋しげな表情が浮かんでいた。プシューッと水をかけられて消えた花火みたいだった。
ワタシモヒトデナシダ




河原猫の日記



    
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