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郵便配達
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わが河原猫たちの生息する場所に、郵便配達のオートバイがやってきた。誰か手紙を出したり受け取ったりする猫がいるのかと、目を疑った。 土手の下は河川敷(=川の中)であることから、大抵は「国土交通省」が管轄している。ところが、ここには地主さんがいっぱいいて、人の住まう家は建てられないものの、それぞれが土地を割拠して所有している。河川敷の中に住所番地が「ある」、特別な所なのだ。流域の住民を大水から守るため、どこかの専門家が計算した土手の位置が、たまたま農地を分断したのだろう。 先年春、原っぱの地主さんに追われて奥の竹やぶへ引っ越した猫舎。竹やぶの地主さんにお会いしたことはない。竹やぶに隣接する一角は、どうせあそばせている土地だから、と地主さんがボーイスカウトに無償で貸している「キャンプ場」で、看板が掛かっている。隅に地主さんの愛犬2匹の墓があり、猫がよく墓守している。この地主さんご夫婦にご挨拶に伺って猫たちの世話状況を説明し、暖かい言葉で励まされた。 半年前、この先の一帯に大がかりな工事が入って、公営のミニゴルフコースになってしまった。ホームレスの人が皆追い出され、引っ越しで愛猫を迷子にしてしまったおじさんが、河原猫の中にまぎれて世話になっていないかと尋ねてきたことがある。おじさんの猫は結局不明のまま戻らず、通りがかりに猫を土手の上から眺めていくようになった。いつだったか「これ、猫にやって」と、ウナギの蒲焼きをどっさりいただいた。蒲焼きなんか猫が食べるのかなと思いながら、せっかくだから配ってみたら意外にも好評。チーコなど、がぶりと大きな固まりをくわえ少し離れたところへ引きずっていって、ぶんぶん頭を振りながら食べていた。 きのせいか、ウナギ食べた子はしばらく鼻息が荒かったような・・・。 そうだ、郵便配達の人がすーっとオートバイを止めたので、猫に郵便、間違いなしだ!と身構えると・・・ 「あのぉ、ミニゴルフの・・・」管理事務所宛の配達でした。 土手を下り間違えてしまったのね。緊張して損した。 |
