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サビの箱
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サビちゃん専用箱に手を入れて「まだ在室中」と気が付く。すっかり横着になったサビちゃん。テーブル下の個室から出てこない。「起こさないでね」札がかかっていたらしい。サビちゃん箱は、入り口を小さくくり抜いたスチロールの箱で、ビニールシートとテント布でくるみ、中にはペット用発熱シートと、カイロを包んだタオルを入れている。こう書くと暖かそうだけど、寒い外に入り口を開けて置いているので、草の中で野宿よりはマシ、という程度だ。入り口に少しビニールシートがかぶるよう垂らしてあるから、屈んでのぞき込まないと中が見えない。「ごはんはルームサービスお願いね」、だって。 河原猫の最古参単独サビコは、核メンバーから距離を置いて(今のガオちゃんみたいに)どこか別のねぐらから通ってくる子だった。時々見失って、また発見し、いつだったか首に赤いカラーゴムの首輪なんか付けて現れたりもしたから、近くの小屋で「飼われて」いるのだと思った。あの人懐っこいキャラと手触りの良い柔らかいすてきな毛で、飼い主を捕まえたのだと思っていた。 今年夏頃から皆勤賞になって、駆け寄ってくる出所は材木置き場だったり草の中だったり、ど真ん中ではなかった。 だんだん寒くなって(雨の日などは特にだけど)、外で待っているのを見るたび不憫で、どこかに居場所を確保して欲しいと願っていた。 だから、サビちゃんの横着は嬉しい。 ごはんを箱の中へ差し入れた。 食べ終わったトレイを下げるとき交換で、新しいカイロをすべりこませてきた。 |
