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河原猫の世界

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シトラ
流れてきた「シトラ」♀ 美しい子
白グレーで長毛の、シッポの短い子がいる。
姿を確認した2003年は遠くからしか見ることができなかったので、
雄雌も分からず
出席簿の欄外にただ「白グレー長毛」と書いていた。
小夏のように、
ホームレスのおじさんの小屋に寝起きしている子のようだった。
原っぱまでごはんを食べに来るのは、
毎日の食事がきちんと与えられていなかったからだと考えた。
2004年春ころから竹薮へも現れるようになった。
切れ長の大きな目、
くっきり入ったシャドウ、
毛並みもふわふわ美しい。
やがて シッポの先が赤くただれ、膿んでいるのに気がついた。
動くとすぐ逃げてしまうため、
原因も、どういう状態なのかも、詳しくは分からない。
梅雨から夏にかけて傷が悪化する季節なのに
どうすることもできなくて気を揉んだ。
シッポにトラブルのある子・・そこから
「シトラ」と命名。
竹薮から、ガオの道に移動。
白ママ、ヨーコママ、マダラ、はっち、ガチャ、ミルクなどと、
女の子だけの薮組を構成、シトラはそこに根を張った。
ごはんの待ち方が、とても熱心になって、
毎日私を見つけると走ってくるようになり
         
    まわりをウロウロして、
  体をすり寄せてくれるようにもなり、
膝の上に乗せて顔を撫でるとくったり脱力して
身を任せてくれる。
こんなにおとなしくて、人に慣れた子だったのね。
逃げていたのは ただ恐かったから、なのね。
   
2005年2月5日
ずっと気になっていたシッポの治療、
やっと保護して
やってあげることができた。
                   ガオの道薮組の女の子たちに、
                   寝箱も猫ハウスもない。
              どうやって雨や風や寒さを凌いでいるのか・・
推定3才、河原で苦労して生きてきたシトラ。
こんなに慣れてくれたのだから、
手術が終わってトラブルを解決できたのだから、
再び河原には戻さないと決めた。
長毛の子が外で暮らすのはとても困難で、
実際シトラの被毛は汚れて あちこち固まっていた。
問題発生。
同時に保護した一ちゃんが、
里親募集の準備のため行った血液検査で
白血病キャリアと判明した。
キャリアの子でも可能性がないわけじゃない。
でも、安心して暮らせるおうちが探せるかどうか・・
探せない確率も高い。
私自身が引き受ける覚悟をした。
そんなとき
シトラの一時預かりにお申し出があり
一ちゃんのことでいっぱいいっぱいだったこと
時間的に全く余裕がなかったこともあって
保護主としての責任を果たせぬまま
お別れした。
シトラを思うといまでも胸が痛い。
その後、シトラは
あたたかい細やかなケアーを受け
シッポの傷も術後順調に快復。
2005年3月14日里親さんが仮決定
27日から新しいお家での生活が始まり
ご家族に愛され、
先住2匹の猫さんにも受け入れてもらえて
4月15日正式に家族の一員として迎えられた。(感激)

3月16日 河原でずっと見てきたちっちゃな大姉御「チーコ」を失い、
4月に入って チーコを追うように急激に悪くなったサンタを保護して入院させ
ろうそくの火が燃え尽きるように細くなっていく命を見つめていた。
一ちゃんが 4月6日桜の開花の日に亡くなり
そして15日、最後の一灯り放ち逝くサンタを
見送って泣いた。
すっかり心がヨレヨレで
シトラの幸せを ちゃんと祝福してあげられなかった。

悲しいことが重なって、そんなふうだったけど
ごめんねシトラや
本当にあなたの幸運を喜んだのよ
2005年秋、竹藪奥に住むおじさんか
シトラの元養い主に関する情報を得た。
その人は3匹の猫を飼っていて
仔猫が産まれてしまったが到底養いきれないから
捨ててきたらしい。聞いて、たまらない気持になった。
またそのようなことにならぬよう手術するから預からせて欲しいと
話しに行って、シトラのことを聞いた。
シトラはガリガリに痩せて 行き倒れ寸前で
すがるようにおじさんの所へやってきた。
忽然と現れた最初から人慣っこかったから、
おそらく飼い猫だったのが捨てられたのだろうという。
小夏も同じように、このおじさんの所へやって来たのだそうだ。
2003年早春におじさんの住居内で子を生み、親離れさせる頃、
子どもたちに生活圏を譲って自ら出て行った。
おじさんの所へ帰らなくなった時期と
私が毎日会うようになった時期が一致していた。
「親があんなにきれいなのに
子どもたちは全然似ていなくてさぁ・・」と笑う。
                    
                  トット♂(お魚)体の大きな男の子 
                  切れ長の目がシトラ譲り?
 シィ(海)♀&ララ(お日さま)♀
                 とても怖がり これもお母さん似

シィ・とっと・ララ シトラが河原に残した子
3兄妹の手術は2005年12月4週に、やっと終わった。
ワクチンも接種し、無事おじさんの元へ戻せた。
シトラに果たせなかった責任が、こうしたことで少しでも埋められたらと思う。

いまは思い出になった美しいシトラや
もう二度と飢えてさまようことはないよ。
河原のことは忘れて
子どもたちも大丈夫だから
どうか いつまでも幸せに暮らしてね。

シッポの治療と不妊手術を丁寧にして下さった先生と、
シトラのためにしあわせを祈り、動いて下さったみなさま
ありがとうございました。
そして
シトラを迎え、愛し、大事に育てて下さっているご家族に
感謝を込めて。
 
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