かみさま
わたしのあいするしろい猫が しにかけています どうかすぐ来てあのいとしい子に 優しい手を置いて さすってあげてください そうして ねぎらってあげてください よくがんばったと ほめてあげてください
河原の原っぱより100倍も 1000倍もしあわせな 緑の原っぱに飛んでいけるように まさおくんのせなかに 羽をつけてあげてください
もしもあしたつめたくなっていても 私はうらみません ああ かみさまがきてくださったのだと 私なりに静かに送ります
ごはんに現れないまさおくんを猫舎の真ん中の箱の中に見つけた。 どこかにいないか探しながら箱を少し動かしたら、 箱の隅っこにギュッと、痩せて小さくなった体を更に小さく丸めて寝ていて、 ビックリするほど大きな声でニャァオニャァオ文句を言った。 慌てて箱の後ろなど探してしまったのだが、中にいた。 「せっかく静かに寝ているのにガサゴソやるのは誰だい」 覗き込んで頭を撫でたらしょぼい顔で首を持ちあげ、もっとにゃぁにゃぁ言う。 「ああ、きみだったのか、ボクは今つらいから失礼するよ、世話になったね、 愛想が無くてゴメンヨ、こういう状況だからね」 埃っぽい北風が吹きつけてきて「ああ寒い」 また体を丸めシッポを巻き込み縮こまってしまった。 しばらく撫でてカイロを替えた。ごちそう缶を急いで開け、 少し盛ったのを差し入れた。見もしない。匂いさえもかがない。 「慣れても馴染むな、名言だろ?じっちゃんの教えだったんだ。 ボクはずっと守ったんだよ。人に隙を見せちゃいけない、 簡単に触らしちゃいけない、でも今日は良いよ。なんて気持ちが良いんだろう。 その手が豹変してボクを痛い目に遭わすんじゃないかなんて心配することもない、 どこか痛いとか、苦しいとか、そういうんじゃなくて、ただつらいんだ。 何がつらいかうまく言えないけどただね、ただただギュッと・・・ そういやそういう感じで生まれてきたような気もする。 でね、おかあさんが舐めてくれるのがまた気持ちよくて、 一ナメでひっくり返っちゃうんだけど、あっちにゴロンこっちにゴロンころがされて、 みんなでもがいていたんだよ・・」 話しかけると返事をしようと気を使うから、 静かに寝かせてあげようと猫舎の覆いを降ろすことにした。 ときどき寝言を言うような感じのにゃぁが聞こえた。 お母さんを呼んでいる。 |